ソニンが主演、訳詞も手掛けるミュージカル『ラフヘスト~残されたもの』本日開幕
今年1月に開催された第8回韓国ミュージカルアワードで作品賞、脚本賞、音楽賞に輝いた『ラフヘスト』の日本版が、本日7月18日(木)より東京・東京芸術劇場シアターイーストにて上演される。韓国を代表する天才芸術家と称される詩人イ・サンと画家キム・ファンギのふたりを夫に持ち、自身もエッセイスト、評論家、画家として活躍した実在の女性、キム・ヒャンアンの人生に基づく物語。意外にも韓国ミュージカル初出演となるソニンが主演のみならず訳詞(日本語上演台本のオノマリコと共同)も務め、ミュージカル初挑戦となる稲葉賀恵が演出を手掛けることでも話題の作品だ。 【全ての写真】ミュージカル『ラフヘスト~残されたもの』の出演者 物語の始まりは2004年。晩年のヒャンアン(ソニン)は自分の人生を振り返るように、手帳を一枚ずつめくって記憶を辿り始める。1936年、まだ本名のピョン・トンリムを名乗っていた頃の彼女(山口乃々華)は、自由奔放な詩人イ・サン(相葉裕樹)と出会って結婚。彼の死後、もう芸術家を愛することはないと思っていたトンリムの前に、画家のファンギ(古屋敬多)が現れる。静かで控えめなファンギと手紙を交わすうち、少しずつ心がほどけていくトンリム。そんな若き日の自分の選択を見つめながらヒャンアンは、人生の岐路に起こった出来事が、結局は自分を光り輝かせてくれたことに気付いていく――。 タイトルの「ラフヘスト」は、京城(現在のソウル)、東京、パリ、ニューヨークを渡り歩いたヒャンアンが残した「Les gens partent mais l’art reste=人は去っても芸術は残る」というフランス語から取られたもの。脚本を手掛けたキム・ハンソルは、「生前キム・ヒャンアンは、“人は去っても芸術は残る”と話したが、芸術を愛したキム・ヒャンアンの人生も残っていると思い舞台化にトライした」と語っており、「魂に訴えかけるような、観劇後自分を抱きしめたくなるような、美しく暖かく刹那的な感情を“芸術”を通して体感していただきたい」とソニンも話す。また演出の稲葉は、「私たちが瞬間瞬間を掴んでは選択をした人生の時間はすべからく愛おしい。そんな作品になると思います」とコメント。芸術や記憶や人生について、静かに思いを馳せたくなるような舞台となりそうだ。 文:熊田音子 <公演情報> belle waves #1 ミュージカル『ラフヘスト~残されたもの』 演出:稲葉賀恵 上演台本:オノマリコ 訳詞:オノマリコ、ソニン 音楽監督:落合崇史 出演:ソニン、古屋敬多(Lead)、相葉裕樹、山口乃々華 2024年年7月18日(木)~7月28日(日) 会場:東京・東京芸術劇場シアターイースト