今できることに全力を尽くして掴んだチャンス(後編)「大事なのは、バスケ以外の日常を疎かにしないこと」(Bリーグ・川崎ブレイブサンダース 益子拓己)
アグレッシブ過ぎるくらい、元気だなと言われるぐらいチームを盛り上げたい
川崎では練習とともに、スクールコーチの経験も益子を豊かにしてくれた。「4歳からスクール生がいるので、ボールをキャッチすることやジャンプの仕方を教えましたが、自分にとっても本当に勉強になりました。ジャンプするだけでも楽しんでくれる子たちですが、4歳でも2つのボールでドリブルを突いたり、走ってレイアップを決めたり、すごいプレーをします。学校訪問にも行かせていただき、小学生と一緒にバスケをしました。そこでは、1本のシュートでみんなが盛り上がりながら楽しんでいたので、その心はいくつになっても大事だなと思わされました」と、どんなことも吸収する。スクールで一緒にバスケを楽しんだ子どもたちが、最初のファンになってくれるかもしれない。 「練習参加から上がってきましたが、これまでのシーズンを通してチームの練習に参加し、このタイミングでチームに合流してきた自分の役割は、シュートを決めることではないと思っています。若さやこの時期にプロ契約をしたからこそ1人だけアグレッシブすぎるぐらい、元気だなと言われるぐらい、シュートやスタッツ以外のところでチームを盛り上げて少しでも背中を押して、流れが悪いときには少しでも取り戻して、みんなが気持ち良くプレーできるようにしていきたいです」 ようやくプロ選手としての道を歩きはじめた益子だが、3×3ではBリーガーの中で最高位となる国内ランキング現在5位につけ、パリ2024オリンピックにも近い存在である。2024年を飛躍の年にするためにも、この先も落ちているチャンスを貪欲に掴み続けなければならない。 (了)
泉誠一