【切迫】「もう割ろう」玄関にはチェーン...ベランダ窓を破壊して部屋の中に『室内閉じ込め救助』の現場 高齢単身世帯増加で救助件数が過去最多に
「約束の時間に自宅を訪問したのに応答ない」訪問看護師からの通報
尼崎市消防局で室内閉じ込め救助などにあたるレスキュー隊員は24人。2交代勤務で24時間出動に備えている。どんな救助事案にも対応できるように、ロープを使ったり担架で搬出したりする訓練を繰り返す。 訓練の様子の取材中、室内閉じ込め救助の指令が入った。 (指令のアナウンス)「救助指令 限定救助 室内閉じ込め」
訓練を中断、すぐに現場に向かう。訪問看護師からの通報。一人暮らしをしている60代の男性の自宅に約束の時間に行ったのに応答がないという。
(車内から呼びかける隊員)「緊急車両交差点に進入します。止まってお待ちください。止まってお待ちください」 通報から約10分で現場に到着。集合住宅の2階のため、外側からはしごをかけてベランダに進入する。 (隊員)「ベランダ進入して確認するも掃き出し窓は施錠状態」 窓にはカギがかかり、中に人影は確認できない。特殊な方法で窓のカギを開ける。 【隊員らのやりとり】 「開きました」 「開放、入りますね」 「屋内進入し玄関開放します」 「入りますね」 「もしかしたらおらん可能性もある」 「布団の中は?」 「布団の中いないです」 「コタツの中もおらんな。ひと通りもれなく確認して」 「コタツの中もいないです」 どうやら不在のようだ。 通報の一部はこのような「留守」や「寝ていた」など緊急性がないケースだが、急病の場合も多く、中にはすでに亡くなっていることもあるという。 (救助にあたった「高度救助隊」 竹内雄一消防司令補)「室内を探したんですけれども、居住者が見当たらず不在でした。119番通報で出動した以上は我々で安全を確認する義務がありますし、留守かどうかも室内に入ってみて初めてわかることですので」
玄関も窓も開けられない事態…「もう割ろう」
取材した日、集合住宅に住む80代の女性から救助の要請が入った。「全身の力が入らず動けなくなった」という。現場は高層階。玄関にはチェーンロックがかかっていて外れない。 (無線での連絡)「ベランダ側、家族より破壊許可あり。無理であれば窓ガラスを破壊し進入する」