<3分でマイクオフ>進行台本に記載されていた 水俣病被害者と伊藤信太郎環境大臣の懇談 環境省の官僚たちがマイクをオフってでも守りたかったものは?
「人間の血が流れてない、その結果が5月1日にはっきり出たと思います」 「話を聞こうという姿勢がない」 「マイクを切るのが当然ってそんなことでは済ませられない」 【画像を見る】ヒアリングに参加した環境省職員の姿 なぜマイクオフ?記者が直接聞くと… 水俣病不知火患者会の岩崎明男会長がリモート画面越しに怒りを込めて叫ぶ。
今月9日夕方、国会内で行われた立憲民主党主催のヒアリングには、被害者を代表して上記の岩﨑会長がオンラインで参加。 懇談を開催した環境省からは、当時の会を進行していた環境省の木内哲平環境保健部企画課特殊疾病対策室長、神ノ田昌博環境保健部長らが出席した。 立憲民主党の国会議員らは環境省側へ問い質す。「なぜしっかりと時間をとって被害者の声を聞かなかったか」、「大臣もマイクがオフになっていたのは認識していたはず」などと指摘していく。 また、今月1日の懇談が問題化して1週間も経ってから大臣の謝罪に及んだことは、『遅きに失している』と批判した。
環境省職員「マイクを切ったことがそこまで大きな問題になるとは」
国会議員の問いに対し、環境省の職員は以下のように回答した。 「マイクの音声が途切れた時点では、あまり違和感がなく会が続いていた」 「進行役が指示を出して、マイクを止めるということだったが、指示を待たずにマイクを止めるという、不手際があった」 「マイクを切ったことがそこまで大きな問題になるとは思っていなかった」 「大臣をお守りすることができなかった」 5月1日に熊本県水俣市で行われた、伊藤環境大臣と関係8団体との懇談で、環境省の職員が水俣病被害者側の発言中に2度にわたりマイクの音を切った問題。 環境省側いわく懇談の参加団体には3分ずつの持ち時間があり、3分を過ぎた場合にマイクを切るという運用方針は事前に決まっていたという。 環境大臣と懇談するという機会は、水俣病被害者にとって貴重な時間だ。もちろん行政側にとっても、被害者の切実な思いを聞くことは、いまなお続く公害問題の実態を直に肌で知る貴重な機会のはずである。 そんな場でなぜマイクをオフにするような運用がなされたのか。