米地元メディアが7回無失点で13勝目ゲット大谷翔平のサイヤング賞獲得の可能性を指摘…「受賞の根拠をさらに深める」
エンゼルスの大谷翔平(28)が17日(日本時間18日)、本拠地アナハイムで行われたマリナーズ戦に「3番・投手兼DH」で先発出場し、7回を投げ3安打8奪三振無失点の好投で13勝目を挙げた。打っては初回に決勝点となるレフトフェンス直撃の先制のタイムリーツーベースを放ち自らを援護。チームは2-1の僅差で勝利した。投球回数は148に到達。規定投球回まで残り14回となり、メジャー史上初となる規定投球回&規定打席数クリアの快挙が見えてきた。米の地元メディアからはヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)と争っているMVPと共にサイヤング賞獲得の可能性を指摘する声が出ている。
「毎日がMVP争いを占うものなら登板日はCY賞の可能性を高める重要な日」
二塁さえ踏ませなかった。前回の登板では、右手中指にできたマメに配慮して5回で緊急降板した。この日は、新球シンカーやフォーシームを軸にした配球から指に負担のかからないスライダー、スプリットが107球の投球の半分以上を占めるピッチングスタイルに変えて西地区のワイルドカード争いをしているマリナーズ打線から8つの三振を奪うなど圧倒した。 「気合が入った」というバックのプレー、そして自らの好守備も無失点を手助けした。2回に一死一塁からアダム・フレージャーの三遊間を抜けそうな打球をルイス・レンヒーフォが飛びついて処理。さらにサム・ハガーティの自らの足元を襲う投手ゴロを体をうまく外しながら好捕した。 4回にも先頭の3番カルロス・サンタナの強烈なライナーを抜群の反射神経でつかみとった。「適当にグラブを出したら入った。ラッキーだった」と大谷は、試合後のフィールドでのフラッシュインタビューで笑って振り返った。 打っても1回一死一塁でマリナーズの新人王候補のジョージ・カービーからレフトフェンス直撃の先制の二塁打。これが昨年に並ぶメジャー最多の138安打目となった。4回にも大谷の四球から追加点につながった。 地元紙のオレンジカウンティレジスター紙は「大谷がサイヤング賞獲得の根拠をさらに深める」との見出しを取り、ヤンキースのジャッジと争うMVPだけでなく、サイヤング賞の有力候補として浮上していると指摘した。 まず「もし毎日が、大谷のア・リーグMVPの資格を占うものであるのであれば、毎週土曜日(登板日)は、彼のサイヤング賞獲得の可能性を高める重要な一日となる」と書き出し、「1回に大谷は、マリナーズの左翼ジェシー・ウィンカーの頭上を越える二塁打を打って、1塁からマイク・トラウトをホームに迎え、エンゼルスに1-0のリードをもたらした。そしてエンゼルスを勝利にもたらすために大谷がやったことはこれがすべてではなかった」と続けた。 「彼はプレーオフ争いの輝きの外にいるが、ポストシーズンで注目の集まる賞の投票に向けて最高のものを積み上げている」として、この日の投球内容を伝えた。 そしてヤンキースで2018年から2021年までコーチを務めたエンゼルスのフィル・ネビン監督代行の「ジャッジのことは息子のように気に入っているが、私は言い続けている。“大谷は誰もできないやり方で野球の試合を自分のものにすることができるのだ”と」というコメントを紹介。 「ジャッジが大谷のMVP再受賞の脅威である一方、彼は、サイヤング賞の4人の候補の1人だ。アストロズのジャスティン・バーランダー、レイズのシェーン・マクラナハン、そしてホワイトソックスのディラン・シーズがライバル。ただ、防御率タイトルに必要な規定投球回を達成せずにサイヤング賞を勝ち取った先発投手は過去にいない。大谷は規定投球回まで14イニングを投げなければならないが、これは実行可能だ。ネビン監督代行は『大谷をあと3度先発させる予定』と語った」とも記した。 バーランダーは防御率1.17、勝利数17、WHIPの3部門でトップ。マクラナハンが防御率2.13、勝利数12で追う。シーズも防御率2.16で3位につけ勝利数は14。奪三振は2位だ。大谷は防御率2.43が5位、勝利数13が5位タイ、奪三振は196で3位、WHIPで7位の位置につけている。残り3試合の内容次第では、さらに順位アップも可能だろう。