韓国で着陸失敗の旅客機、どんな機体なのか? 世界では「メガヒット」&LCCでも相次ぎ採用の理由とは
国内航空会社でも「主力機のひとつ」に
2024年12月29日に韓国・務安(ムアン)空港で発生した、同国のLCC(格安航空会社)「チェジュ航空」の着陸失敗事故。同国当局ではこれを契機に韓国の航空会社が運航する事故機と同じ型式「ボーイング737-800」の全機を点検すると、現地メディアなどが報じています。この737-800は、どのような旅客機なのでしょうか。 【動画】衝撃…チェジュ航空機「衝突の瞬間」 737-800は150席級の旅客機で、ボーイングの歴史上もっとも売れた民間機「737」シリーズの派生型のひとつです。737シリーズの歴史は古く、初期タイプは、1968年に運航を開始。以来さまざまな派生型が生み出されながら、半世紀以上、世界中の航空会社の“第一線”で使用されています。 737シリーズは、細長いエンジンを採用した最初期タイプ、より効率の良いターボファン・エンジンを搭載するなどのアップデートが施された第2世代機「737クラシック」、そこからさらにエンジンの換装や主翼の再設計、大型ディスプレイが並ぶ「グラスコクピット」などが導入された第3世代機「737ネクストジェネレーション」、そしてより効率の良いエンジンの採用や客室インテリアの刷新などが行われた第4世代機「737MAX」に大別されます。 737-800はこの第3世代機「737ネクストジェネレーション」の標準型にあたり、かつ5000機超の発注を受けた、シリーズ屈指のヒット機です。日本国内でもその姿を多く見かけることができ、JAL(日本航空)、ANA(全日空)ではおもに国内地方路線で採用されているほか、スカイマークやソラシドエアといった後発系の国内航空会社は、同モデルを主力機に据えています。 またチェジュ航空も同様ですが、737-800は、ヨーロッパのエアバスが開発し、「世界で最も売れている旅客機」として知られるA320とともに、LCC(格安航空会社)でも人気のあるモデルです。たとえば、アメリカのLCC系大手である「サウスウエスト航空」や、ヨーロッパの「ライアンエア」も、このモデルを主力機として据えています。