縦パスに追いつけず天を仰ぐ東京Vの深澤大輝

＜トレーニングマッチ：東京ヴェルディ1－2シンガポール代表＞◇11日◇東京・AGFフィールド◇35分×3本 　東京ヴェルディが、日本遠征中の小倉勉監督（58）率いるシンガポール代表（FIFAランキング161位）と35分×3本のトレーニングマッチを行い、合計スコアは1－2と敗れた。 　次節19日の浦和レッズ戦（味スタ）までの中断期とあって、終盤戦へチーム内競争の真っただ中。メンバーは固定せずにシャッフルする形で、コンディション不良で別メニュー調整以外は全選手が出場した。 　試合は1本目の前半15分にカウンターから失点。3本目の6分にMF翁長聖の左サイドからのクロスボールをFW白井亮丞がフリーで押し込み同点としたが、終盤にパスミスから奪われ、失点を喫した。試合内容は東京Vが主導権を握り、全体的なチャンスの数では大きく上回っていながら決定機でことごとくシュートが外れた。 　城福浩監督は「追いかける展開となって、シンガポールもすごく体を張ってきたので、トレーニングマッチとしてはすごく意味のあるものになりました。結果的に我々のイージーなミスからああいう形になった。ミスだけじゃなく、ここまで点が取れなかったところとか、1本目の低調さとか、それを見ながらも、見ていた選手たちの危機感があまりないという意味では、やっぱり今までの実績に関係なく、しっかりジャッジしなければいけないなと。集中して（試合に）入ってもらったつもりなので、今日のパフォーマンスというのはちゃんとジャッジしたい」と歯切れが悪かった。 　それでも夏以降はベンチ外が続いている深澤大輝は、1本目は３バックの左で、そして2本目に3－4－2－1の左ワイドに入ると守備だけでなく敵陣ゴール前に飛び込んでいく積極的なプレーを披露。DF登録の選手ながらヘディング、右足と惜しいシュートを放つなど、ポジション奪取への強い意欲を見せた。 　深澤は「監督がもう1回チームとしてフラットに行くというところで、やってやろうという気持ちが強い」と意気込む。「自分自身はやれると夏場以降の練習でも自信がついているので、ピッチに立ったら本当にやるだけだなと思っています」と話した。 　前節は湘南ベルマーレに0－2と完敗し、順位は6位から8位へと後退。残り5試合でどこまで順位を上げられるか、もう1度チーム内競争を高めることがポイントとなる。城福監督が口癖のように言う「サプライズ」に向け、チームは追い込みに余念がない。