鉄道駅のホームドア 東海地方各社の設置率 地下鉄は88%で未設置は“鶴舞線だけ”遅れている原因は
そして、2つ目の要因は「重い」ということだ。
一般的なホームドアは、扉と戸袋ひとつで500~600キロもある。地下鉄は鉄筋コンクリート製で強度があり問題ないが、古いホームでは問題がある。 枝久保さん: 「(ホームドアは)ホームの端っこの上に乗っけるわけですけど、そのホームドアの重量を支えるホームの強度が必要。古い駅のホームはブロックで積み上げて、下は土みたいな駅もある。改修強化が必要なところもあると思います」 古いホームでは、杭を深く打ち込んで補強する必要があり、費用も工期もより大きく長くなるという。
そして3つ目の要因は「高額」ということだ。
枝久保さん: 「どこまで改修するかによりますけど、(ホ-ムドアは)普通に100億、200億とか、条件が良くてもそれなりの金額はかかりますね」 枝久保さんによると、ホームドアは1駅設置して数億円で、全駅設置すると数百億円の規模になるという。加えて、扉がバラバラの車両をそろえるとなると膨大なコストがかかる。 枝久保さん: 「電車はだいたい一編成で、約10億、20億するので。通勤路線だとそれが30本とか40本、保有しなきゃいけない。20億かける30本だと、600億円とか。駅を補強するとなれば、さらにかかりますので、もう1000億とか見えてきちゃう。まあ一番極端な例ですけどね」
各鉄道会社は、2021年から始まった「バリアフリー料金制度」というものを使っている。 枝久保さん: 「(バリアフリー料金制度は)運賃に10円とか上乗せして、バリアフリーの部分だけに使いましょうという。ホームドアは、今後は必要な設備、つけなければいけない設備っていう方向にきていると思います」
■地下鉄は88%…東海地方の鉄道の設置状況は
東海地方の現状について鉄道各社に聞いた。JR東海は、新幹線「のぞみ」の停車駅などに設置されているほか、在来線の金山駅に加え2024年1月、在来線の名古屋駅6番線にも新たに設置された。今後2030年度までに名古屋駅と金山駅の別のホーム、刈谷駅、千種駅、大曽根駅にも新設する予定だ。 ホームドアだけでなく、視覚障がい者向けの「内方線付き点状ブロック」や「転落検知マット」、警備員の配置など、さまざまな対策で安全性を向上させるとしている。