世代超え支え合うまちに 市が第9期高齢者福祉計画を策定【宇部】
宇部市は、第9期高齢者福祉計画を策定した。基本理念「高齢者が生きがいを持って自分らしく暮らせる支え合い助け合う地域共生のまち」を実現するため、第8期から引き続き、健やか、生きがい、尊厳、安心、基盤づくりの五つを基本目標に設定。子どもから高齢者まで障害の有無にかかわらず、誰もが世代を超えて支え合い、共にまちづくりを進める市の実現を目指す。
保健事業と介護予防事業の一体的な実施など
老人福祉法に規定する老人福祉計画と、介護保険法が定める介護保険事業計画を一体として高齢者施策の方向性を定めたもの。第9期の計画期間は2024~26年度の3年間。 第8期(21~23年度)でも課題となった認知症高齢者や独居高齢者の増加という社会構造の変化、介護人材の確保への対応を継続しながら、40年までの中・長期的な人口構造、サービス需要を見据えて作成した。 これまで、市の介護保険料基準額が月額5980円と県内13市で2番目に高く、全国、県と比較して通所介護サービスへの給付額が高いことが今後の課題と捉えていた。要支援1~要介護1の軽度者のサービス利用率が多い現状を踏まえ、9期には、健康寿命の延伸に取り組む保健事業と生活機能維持を目指す介護予防事業を一体的に実施することを明記。行政サービスを充実させることで、介護サービス利用を減らし、保険料負担の軽減を目指す。 全国、県と比べて定期巡回・随時対応型訪問介護の利用が多く、今後も在宅の要介護者のきめ細やかなニーズに対応するため、新たに地域密着型サービスの整備に取り組み、定期巡回・随時対応型訪問介護を現状の4カ所から5カ所にすることを盛り込んだ。 市の人口推計によると、23年4月1日での総人口15万9600人、高齢化率33・7%が、40年には14万人、36・6%と人口減少と高齢化が進み、特に85歳以上の人口が20年と比較して1・55倍になると予測している。