「3.11生まれ」“知らない震災”伝える10歳の少女 有働キャスターが取材
日テレNEWS NNN
東日本大震災から13年。この日を特別な思いで迎えた、岩手県釜石市の少女を有働由美子キャスターが取材しました。 ◇ 3月11日。この日を、特別な思いで迎えた少女もいます。小学4年生の佐々木智桜さん。3月11日は、祖母とおばを亡くした日であるとともに、実は智桜さんの誕生日でもあります。震災の3年後に生まれ、この日で10歳となりました。 小学4年生 佐々木智桜さん(10) 「(3月11日は)『楽しい日』と『悲しい日』。ばあちゃんと、おばちゃんに『今年も迎えたよ』とお祈りしました」
3月10日、釜石市にある防潮堤で、智桜さんがお母さんと一緒に出迎えてくれました。 智桜さん(10) 「散歩におすすめのところです」 有働キャスター 「歩いていてどんな気持ちになる場所?」 智桜さん(10) 「海を見られて波の音も聞いて、気持ちいいなって思います」 震災を経験していない智桜さんにとって、普段「きれいでおだやかな海」だといいますが―― 智桜さん(10) 「津波はあっちの方にある高速道路の方まで行っちゃって」 有働キャスター 「あそこまで行ったということですか」 津波が押し寄せてきた当時の状況を、身ぶり手ぶりで教えてくれました。
智桜さんは、震災の教訓を伝えようと、釜石市最年少の語り部として活動しています。 有働キャスター 「小学4年生の名刺、生まれて初めてもらいました」 智桜さんは去年3月、語り部としてデビュー。それ以降、多くの人の前で震災のことを伝えてきました。 智桜さん(10) 「地震が起きたときは何も持たなくていいから、とにかく逃げて」
智桜さん(10) 「津波で流されたものがここに展示してあって」 有働キャスター 「どういう気持ちで説明している?」 智桜さん(10) 「黒板が持ち上がるのも、大変だと思うんですけど、それが流されてしまったのがすごいと思いました。津波の威力が」 智桜さんは、資料を見ることなく自分の言葉でしっかりと教えてくれます。 ◇ 11日で10歳になった智桜さん。13年前の震災当時を知らない智桜さんは、語り継ぐため、本などから知識を得ているといいます。そして、「てんでんこ」の歌も披露してくれました。 有働キャスター 「すごくわかりやすい。なにをしなくちゃいけないのかが、すぐわかる」 「『てんでんこ』はどういう意味?」 智桜さん(10) 「家族と“てんでバラバラ”で逃げろということです」 智桜さんの母・智恵さん(41)は― 「知らないからこそ伝えられるものってあると思います。何も知らない世代は、こういうことがあったから、私たちはこうしなきゃいけないんだって、新しい考え方が生まれているんだなって」