ゲーム開発のKLab、業績予想を下方修正 先行投資や特損で純損失28億円、株式は一時140円割り込む
モバイルゲームの企画開発を行うKLabは8日、2024年12月期(1月~12月)の業績予想を発表し、売上高83億円、営業損失14億円、当期純損失28億円となる見通しであることが明らかになった。業績下振れや開発費先行、同日発表の特損計上が響いている。 【画像】今後の成長イメージや特損計上の詳細 本予想は昨年の半期決算で非開示としていた内容で、8月時点での半期実績では、売上高が前年同期比32.4%減の36億2,900万円まで落ち込み、営業損失も10億2,400万円と前年同期の5億円から損失幅が拡大する格好となっていた。 同社の主力タイトルのひとつ「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」は2024年後半にかけて前年を上回る実績で推移し、減衰抑制策の効果が表れていると説明。一方で、正式リリースに向け調整中のEAとの共同開発タイトル「EA SPORTS FC TACTICAL」や、アニメでも人気の「僕のヒーローアカデミア」を活用した新規大型タイトルについては、開発に伴う先行投資が利益を圧迫している状況だという。 こうした中、同社は見通しの発表にあわせて、保有する投資有価証券で3億200万円を売却益に、8億6,000万円を評価損に計上。また、ゲーム事業関連のソフトウェア資産の減損損失1億2,100万円を特別損失として計上すると発表した。採用抑制や人員体制の見直し、コストコントロールの徹底など収益改善策を進めているが、特別損失の計上により当期純損失は前期から拡大する見通しとなっている。 さらに、上記の適時開示にあわせて、マッコーリー・バンク・リミテッドに対し私募債(社債)ならびに新株予約権の同時発行を決定、2027年までに18.5億円の調達計画を発表した。9日の同社株式は一時136円をつけ、終値ベースでも140円を割り込んだ。
編集部 経済・社会担当