【山口県】[周南市議会]周南公立大へ市費3億円 「時期尚早」3人反対
周南市議会12月定例会は20日、最終本会議を開き、執行部提案の31議案と委員会提出の1議案を可決した。周南公立大学整備等基金にボートレース事業の収益金から積み立てる3億円を計上した一般会計補正予算(第7号)案は3人が反対したが、賛成多数で可決された。 3億円は45億7,418万9千円の一般会計補正予算(第7号)に計上。この補正予算では歳入にボートレース事業からの繰入金40億円のうち10億円を地域振興基金積立金▽20億円を子ども未来夢基金積立金▽7億円を公共施設マネジメント基金▽3億円を周南公立大学整備等基金に積み立てる。 同基金へのボートレース事業の収益からの繰り入れは昨年の12月定例会に提出した補正予算案にも計上したが、市費の投入に反対する議員が提出した、3億円の積み立てを削除する修正案が可決されて実現しなかった。 今回の計上に伴い、12月定例会初日、藤井律子市長は周南公立大学開設時の「新たな財政負担はしない」とする方針の転換を明確にした。このため、前回、反対した議員の去就が注目されていた。 本会議での採決で、反対は河井美和子議員(輝)、服部恭弥議員(志高会)、細田憲司議員(輝)の3人にとどまった。3人は討論でも反対意見を述べた。賛成の立場からは5人が発言した。
このほか人事院勧告に準じて市職員などの給与などを引き上げる条例と、そのための経費を計上した6億451万4千円の一般会計補正予算(第8号)、第2次周南市まちづくり総合計画基本構想などの議案が可決された。 日本共産党の藤井直子、渡辺君枝議員は、市長・議員の期末手当の引き上げが含まれていることから補正予算(第8号)などと、 まちづくり総合計画基本計画にも人口減少の原因究明がなされていないなどの理由で反対した。
周南公立大学整備基金の3億円積み立てに関する討論の内容
[賛成の立場] 藤井康弘議員(志高会) 財政負担の方針転換が遅くなるほど将来の負担が増える。前回は反対したが、今回は目的が具体的で反対する理由がない。ただし、歯止めは必要で、市財政を圧迫しないようルール化すべきだ。 山本真吾議員(未来ラボ) 会派を代表して賛成する。より魅力的な、選ばれる大学、地域に貢献する大学になることを期待する。 友田秀明議員(幸友会) 大学は周南市のステータス、誇り。常によりよい大学、進化する大学でなければならない。周南市の未来へのチャレンジ、3億円は財政負担ではなく投資だ。 小林雄二議員(市民の会) 施設の老朽化は避けて通れない。今後の設備投資を明確に示し、資金計画を策定、充分な説明を果たされることを申し上げて賛成する。 青木義雄議員(自由民主党周南) 選ばれる大学、選ばれる続ける大学、選ばれるまちの先導役を果たす大学のために必要だ。 [反対の立場] 河井美和子議員(輝) 大学施設整備のマスタープランが完成していない。策定中のマスタープランを見てから議論すべきだ。プランができてどれぐらい予算がかかるか、初めて議論できる。 服部恭弥議員(志高会) 時期尚早である。ずっと税金を使わないと言ってきた。整備計画ができ、市民に説明してから議会にかけるべきだ。 細田憲司議員(輝) いくらなんでも早すぎる。なぜ市費の投入が必要なのか、計画を変更するなら新たなシミュレーションを示して議会、市民に説明すべきだ。市には周南公立大学より先に優先して整備すべき施設がある。