今江の故障離脱で、キャンプイン前に楽天の梨田構想に狂い!?
ロッテからFAで楽天に移籍した今江敏晃内野手(32)が、左足のヒラメ筋炎(ふくらはぎ)のため、沖縄・久米島で行われる1軍キャンプから漏れ、同じ久米島の仲里で行われる2軍キャンプのリハビリ組で別メニューで調整することになった。31日、球団が発表したもの。 今江は、年始より沖縄の恩納村から、仙台、その後、都内に場所を移して自主トレを続けていたが28日に左足ふくらはぎに違和感を覚え、30日に仙台市内の病院で精密検査を受けたところ、ひらめ筋炎と診断された。トレーナーによると、実戦形式の練習を再開するまでには約4週間から6週間が必要という見込みで、今江自身は、「かるい筋肉の炎症で、痛いとか、歩けないではない。無理をすると大きなけがにつながってしまうので大事をとった。気持ちを切り替え、開幕に間に合うように調整したい」とジャージ姿で話をしたが、最悪のケース、開幕に間に合わない可能性もあり、梨田監督が抱く打線強化構想にキャンプイン前から黄色信号が灯った。 楽天は、副会長に就任した星野仙一・元監督の号令の元、ロッテからFA宣言した今江を2年4億円プラス出来高の好条件で獲得した。ロッテが人的補償を求めなかったため、推定1億6000万円の補償金を合わせると6億円近くを投資した大型補強。昨季は9人が入れ替わるなど固定できなかった三塁のポジションを埋めるために、これまでFA補強には消極姿勢だった球団が、一転、勝負に出たのだ。 梨田監督は、同じパ・リーグ内の移籍のため、日本シリーズで2度MVPを獲得した勝負強さと、プロ14年間で平均打率.284を残している堅実性に高い期待を寄せ、「三塁を空けている」と、「今江・三塁」、「銀次・一塁」の構想を練っていた。巨漢の新外国人のジャフェット・アマダー(28)が、使えるかどうかは未知数だが、チーム打率.241、得点463、本塁打85の3部門すべてでリーグ最下位と低迷していた打線を、今江の加入を軸にして強化する構想を考えていた梨田監督にとって、初っ端から計画が狂うようなアクシデント勃発となってしまった。 ベテラン選手にとって、ふくらはぎは無理のできない厄介な場所で、しかも今江は2年前にも同じく左足のふくらはぎを痛めて開幕に間に合わなかったという前例がある。