【Playback箱根駅伝】第99回/駒大 完全Vで王座奪還!史上5校目の学生駅伝3冠達成
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第99回箱根駅伝の総合成績&区間賞一覧をチェック!
第99回(2023年/令和5年)駒大・大八木弘明監督が有終の美、中大が22年ぶりトップ3の準優勝
10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制し、史上5校目の大学駅伝3冠に王手をかけた駒大と、前回大会を総合・復路新記録で制した青学大による優勝争いが予想された。 また、出雲・全日本ともに2位の國學院大、前回2位の順大、出雲3位の中大も上位候補に挙げられた。 1区ではスタートしてすぐオープン参加の関東学生連合・新田颯(育英大)が抜け出し、独走を続ける。後続の集団はスロースタートとなったものの、8km過ぎにペースが上がり、徐々に先頭の新田との差を詰めていく。終盤に抜け出した明大の富田峻平(4年)が残り1kmで新田をかわし、そのまま区間賞を獲得。9秒差の2位に駒大が続き、新田が15秒差の区間3位相当で走り切った。 2区では先頭から18秒差の4位でスタートした中大・吉居大和(3年)が、2.1kmで前回区間賞の駒大・田澤廉(4年)を抜き去り2位に浮上すると、7km付近で明大をとらえて先頭へ。しばらく吉居の独走が続いたものの、一度は抜かれた田澤が12.2kmで逆転し、吉居は後方から追いついてきた青学大・近藤幸太郎(4年)とともに田澤を追っていく。 吉居は21km過ぎにスパートをかけると、中継所手前で田澤を再逆転し、トップで戸塚中継所へ。3秒差で田澤、4秒差で近藤が続き、吉居が区間歴代8位の1時間6分22秒で区間賞を手にした。 3区では先頭を走る中大の中野翔太(3年)がすぐ後ろで追いかける駒大の篠原倖太朗(2年)と青学大・横田俊吾(4年)を引き離して2区間続けてトップ中継。中野は区間賞も獲得した。 4区ではハイレベルな争いが繰り広げられた。2位でスタートした駒大・鈴木芽吹(3年)が7km手前で中大・吉居駿恭(1年)に追いつくと、しばらく並走。牽制してペースが落ち着いたところで3位の青学大・太田蒼生(2年)が猛烈な勢いで追いつき、14.3kmから3人の争いになる。15km過ぎで吉居が遅れると、鈴木と太田の一騎打ちへ。中継所500m手前で追いついた鈴木が逆転し、わずか1秒差でトップ中継。太田が区間記録にあと5秒と迫る快走を見せた。 しかし、太田と鈴木の快走を上回る走りを見せたのが東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(4年)だった。12位でタスキを受け取りと、8人を抜き去り4位に浮上。従来の区間記録を30秒も上回る1時間0分00秒で走り切り、1年時の3区、2年時の2区に続いて3区間目の区間記録樹立となった。 5区では駒大ルーキーの山川拓馬が後続を突き放し、19年ぶり4回目の往路優勝を飾った。青学大はこの区間で順位を落とし、中大が2位、青学大が3位でフィニッシュ。國學院大が4位、早大が5位で続き、四釜峻佑(4年)が11位から5つ順位を上げた順大が6位、9位でフィニッシュした城西大の山本唯翔(3年)は1時間10分04秒の区間新記録を樹立した。 駒大は復路でも盤石なタスキリレーを披露。6区の伊藤蒼唯(1年)による区間賞に始まり、7区の安原太陽(3年)が区間5位、8区の赤星雄斗(3年)が区間4位、9区の山野力(4年)が区間3位、そして最後は10区の青柿響(3年)も区間2位で締め、総合10時間47分11秒で2年ぶり8回目の総合優勝および史上5校目の学生駅伝3冠を飾った。大会終了後、優勝会見で大八木弘明監督が本年度限りでの退任を発表した。 2位の中大は5区間中4区間で駒大に先行されたものの、全員が区間7位以内で走破し、総合2位を確保。実に22年ぶりのトップ3だった。 往路3位の青学大は6区で一時7位まで順位を落としたものの、9区・岸本大紀(4年)の区間賞などで猛追し、3位を確保。4位以降は國學院大、順大、早大、法大、創価大と続き、9位の城西大は5年ぶりのシード復帰だった。 4区終了時で4位につけた東京国際大は後続が続けず11位で4年連続シードはならず。1区の富田、7区の杉彩文海(3年)と2区間で区間賞を獲得した明大は、終盤2区間が区間17位、18位と沈み、総合12位に終わった。 大会最優秀選手に贈られる金栗四三杯は、4区で特大区間新を樹立したヴィンセントが2度目の受賞となった。
月陸編集部