写真左から 中西アルノ、黒沢薫、平原綾香

ゴスペラーズ・黒沢薫がメインMC、乃木坂46・中西アルノがサブMCを務める新感覚の音楽番組が12月16日(土)よりTBSチャンネル1でスタートする。 【写真を見る】新番組『Spicy Sessions』に出演するゴスペラーズ・黒沢薫と乃木坂46・中西アルノ、初回ゲストの平原綾香 同番組は、毎回１組のゲストを迎え、観覧客を前に楽曲の披露や黒沢とのコラボレーション、ルーツをたどるトーク、話の流れでスタジオのバンドメンバーと行う即興のセッションなど、これまでの音楽番組とは一線を画した"ちょっと刺激的な"音楽番組。番組終盤には、カレーをこよなく愛する黒沢のお薦めの絶品カレーが毎回登場するほか、黒沢のアドバイスを受けた中西による歌唱も。初回は、平原綾香が登場し、中西のコーラスに乗せて黒沢とのコラボレーションを披露。さらには、自身の音楽のルーツを余すところなく語る。 今回、収録直後の3人にインタビューを行い、収録の感想や番組に対する思いなどについて語ってもらった。 ――収録の感想は？ 黒沢「『こんなに好きなことだけをやっている番組でいいのかな？』っていうのが率直な感想です(笑)。番組の立ち上げから自分がイメージしたものをそのままやっているので、そういう意味での妥協とかあきらめとかは全くないんです。初回ゲストの平原さん、MCの(中西)アルノさん含め、『この人だといいよね』と名前を挙げた方がスパッと決まってくれて！その場で決まっていくような番組なので、これが果たしてエンターテインメントになるのかどうかっていうのは僕も分からなかったんですが、客席の反応を見て『俺たちの思っていたことは合っていたんだ』と思えたことがすごく嬉しかったです」 中西「こんなすてきな番組のレギュラーをいただけたこと、サブMCとしてお手伝いできることは本当に光栄です。私も音楽そのものが大好きなので、こういった場でたくさん影響を受けて、(黒沢やゲストから)盗めるところは盗みながら自分のスキルアップにつなげていけたらいいな思いました」 平原「この番組の一番いいところは"音楽ファースト"であることだと思いました。私の新曲も知らない人が多いはずなのに、『からっぽのハート』をフルで歌えた。これって実はすごいことで、テレビだとどうしてもテレビサイズになってしまって聴いてほしいところが聴いてもらえなかったり、カラオケでやらなきゃいけないとか、そういうことがある中で、"音楽ファースト"で歌えて演奏できるって本当にすごいことなんです。だから、それを当たり前にやってくれているこの番組を立ち上げた人の熱意や音楽を愛する気持ち、お二人のすばらしさ、そういうものがギュッと合わさって、ちゃんとした音楽番組が誕生したんだなって思うと、すごく胸がいっぱいになりました」 ――現場での即興セッションも見応えがあると思います。 黒沢「歌を歌うのが好きなので、そういうのを思いっ切り振り切れるというのは嬉しいものですね。平原さんとアルノさんが僕の想像を超えて素晴らしかったので、想像以上の良さでした。『これはいけるぞ！』ってリハーサルから感じていていました(笑)」 平原「生演奏で、この場で生まれるセッションというものが、お客さんを入れることでちゃんと目撃してもらえて、『こうやって音楽が作られていくんだ』っていう、私たちにとってはあまり特別に思っていないことがお客さんにとっては初めて見る瞬間だったりして、それを面白いと思ってもらえるというのがこの番組の新しい部分だなと思いますね。初回なので好き放題やらせてもらったんですけど、放送2回目からもわくわくするので、ずっと見届けていきたくなりました」 ――黒沢さんがサブMCとして中西さんに白羽の矢を立てたきっかけは？ 黒沢「乃木坂46の5期生のライブにゲストで出させていただいた時に、『あれ？この子だけ全然違うじゃん』って！それで、『機会があったら、一緒に歌ったりしたら楽しいだろうな』と思っていたところに今回の番組の話があって、僕一人だと画的にも弱いから(笑)『乃木坂46の中西さんがいいと思いますよ』って指名しました」 中西「本当に嬉しい限りです。そういったことがきっかけで、こんなすてきな番組に携われていることが本当に幸せに思っています」 黒沢「歌い回しとかがアイドルっぽくないな、と。"自分"があるよね。カバーしていても中西さんの顔がニョって出てくるというか(笑)。ただ音をなぞって歌えているというのではない感じがあるんです」 平原「確かに！」 ――番組の最後には中西さんの歌披露もありますが？ 中西「たくさんの人の前で一人で歌うという経験もまだほとんどなくて、そんな状況の中で番組の収録でこういった経験ができるってことが大きな経験値になるなと思いながらも、正直『お客さんがこのお二人のすばらしい歌を聴いた後に、私がいくの？』と思って...(笑)。生バンドで歌うというのも生まれて初めてで、どう歌っていこうかと悩んでいたんですけど、リハーサルを含めて本番は生バンドの皆さんに身を任せて歌えたかなと思います」 黒沢、平原「初めて？そうだったの？」 ――黒沢さん、平原さんは、中西さんの歌にどのような印象を持たれましたか？ 黒沢「リハーサル、本番を通して、アドバイスしたことをモノにするスピードが異常に速いんですよ。彼女に関しては音程感とかニュアンスって別に言うことがあまりないんです。だから、それ以外のところをアドバイスした方がいいので、『バンドと一緒に作るんだよ』とか『サビっていうのは誰がどう歌っても盛り上がるようにできているんだから、そんなに勢い込まなくて大丈夫なんだよ』とかそれぐらいのことしか言っていないんですよ。それをリハの2回目からモノにしていて！ただ、『私が(歌う順番が)最後かよ』とは思うよね(笑)」 中西「心も強くして頑張ります！」 平原「カレーを食べた後にソロ曲っていうのも、大変だったんじゃない？」 黒沢「でも一応、あれは声が出るカレーだから。激辛じゃなくて、ちゃんとスパイスの薬効成分が入っているから体が温まるようになってるんだよ」 平原「えー、じゃあ私もカレーの後に歌いたかった(笑)」 黒沢「(声は)十分出てたから！」 平原「(中西が)20歳と聞いて、これからいろんな可能性があると思うんですけど、一番大切なのは今だから。『今表現したいものを表現する』のが一番で、アルノさんにとっては今がベストなんです。だから、(生バンド)2回目はまたどんどん変わっていくでしょうから、恵まれていていいなって思いました。私も毎回出たくなっちゃいました(笑)。アルノさんのクリアな雑味のない声っていうのを、本当に大切にしてほしいなって思いました」 ――最後に番組をご覧になる方々、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。 黒沢「音楽が立ち上がる瞬間の、聴いている方も演奏している方もわくわくする感じっていうのを、この番組で感じていただけると！(楽譜の中の)おたまじゃくしの中にいる"音楽"って不自由なんだけど、でもすごく自由なんだよっていうのを、観た人が感じてくれたらすごく幸せです」 文＝原田健