ロシア軍、東部の都市セリドベの半包囲狙う 陥落すれば要衝ポクロウシクに接近
ウクライナの「要塞ベルト」は持ちこたえられるか
ウクライナ側の要塞化された集落を半包囲して守備隊に撤退を強いるというのは、この戦争でロシア軍の常套戦術になっている。ポクロウシクの南方50kmほどに位置するドネツク州ブフレダル市も最近、そうやって陥落させた。この要塞都市はウクライナ軍の第72独立機械化旅団が2年にわたり粘り強く守り続けていたが、規模にまさるロシア軍部隊に両翼から包み込まれ、疲弊してもいた同旅団はついに撤退に追い込まれた。 ロシア側がビシュネベ郊外に進んできたことを受けて、カラダフ旅団を主力とするセリドベ守備隊はおそらく撤退も選択肢に入れているだろう。 ロシア軍の第2諸兵科連合軍が依然としてポクロウシクを主目標としているのにはそれなりの理由がある。ポクロウシクは、ドネツク州のスロビャンシクから南に連なるウクライナ側支配の都市、いわゆる「要塞ベルト」の南の要なのだ(編集注:要塞ベルトはスロビャンシク、クラマトルシク、ドルジュキウカ、コスチャンティニウカの4都市を指すことが多い)。 とはいえ、ポクロウシクはセリドベよりも攻略するのがはるかに難しい。CDSはなお、ポクロウシクはこの冬持ちこたえられると見込んでいるようだ。 CDSは、来るポクロウシク攻防戦はロシア軍の「南西戦域の攻勢作戦でヤマ場になる」としつつ、ロシア軍は「年内にドネツク州の行政区域内(の全域)を占領できないばかりか、要塞ベルトも攻略できないだろう」と予測している。
David Axe