週10時間以上労働で雇用保険加入へ 要件緩和で500万人加入…私たちのメリット・デメリットは? 専門家が解説
◆専門家からは「財源の使い方が合っていない」という指摘も
ユージ:今回の雇用保険の加入要件の緩和、塚越さんはどう見ますか? 塚越:加入者が500万人増えるということなので、財源も増えることになり、雇用保険を必要とする人の範囲を広げることにもなります。同時に保険料を払う労働者や企業も負担が増えるという意見もあります。 例えば朝日新聞は、岸田政権の目玉政策の財源に「雇用保険料」を充てるケースが目立っており、財源の使い方が合っていないという指摘をしています。例えば、年収が一定額を超えると社会保険料が発生する、いわゆる「年収の壁」対策の財源にも雇用保険が想定されています。 日経新聞も、専門家のコメントとして、給付対象の拡大は雇用保険の原理から外れている、と指摘しています。インターネット上でも、週10時間程度の労働で雇用保険料が取られるとなると手取りが減るわけで、「もっとやり方がないのか」という意見もあります。負担が増えるということは、形を変えた増税になると指摘をしている方もいます。 僕は、(こうした意見は)一部合っていると思います。この政策は本当に人を助けるためにおこなっているのか疑問に思います。 ユージ:これは難しいですよね。それこそ、緩和によって500万人が増えれば財源も増えますよね。一方で、給付対象の人も増えるので結局、財源が増えると貰う方も増えるので、そこはバランスを取らないと。 塚越:短い(勤務)時間でも保険料を払うということが、どれだけ働く人のメリットとなるかは考えないといけませんね。 (TOKYO FM「ONE MORNING」2023年11月23日(木)放送より)