ソニーのフラッグシップ第2世代「α1 II」が登場…AIプロセッシングユニット搭載でAF性能が大幅強化
ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α1 II」を12月13日(金)に発売する。価格はオープン。市場推定価格は約99万円前後。 【この記事に関する別の画像を見る】 αシリーズにおけるフラッグシップの“第2世代”となるモデル。2021年3月に発売した「α1」の後継機にあたる。有効約5,010万画素の「高解像」と、最高約30コマ/秒の「スピード」を継承しつつブラッシュアップ。新たにAIプロセッシングユニットの搭載による「AF認識性能の進化」を実現し、あらゆる被写体・シーンにおいて“圧倒的な成功率”で撮影できる唯一無二のカメラとしている。 ■ 画質の進化 撮像素子には、有効約5,010万画素の積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」を採用。画像処理エンジン「BIONZ XR」との組み合わせは、従来モデルのα1と同じ。 ただし、中~高感度域ではディテールを損なわない効果的なノイズ低減を実現したほか、AEアルゴリズムの進化により露出制御の精度・安定性が従来モデル比で約20%向上するなどのアップグレードも図っている。 AF/AE追随で最大30コマ/秒のブラックアウトフリー連写に対応する点は従来機と同様だが、α1 IIではさらに「プリ撮影機能」(0.03秒~1.0秒)と「連写速度ブースト」も搭載した。これらは2024年1月発売の「α9 III」にも搭載された機能。 コンポジットRAW撮影機能も新たに搭載。1度にRAW画像を複数枚(4枚/8枚/16枚/32枚)連写撮影し、PC上でImaging Edge Desktopを使い画像をコンポジット合成する。光量が不足しがちな撮影シーンにおいて、ノイズを低減した画像を得られる効果がある。 中央8.5段、周辺7.0段分の補正効果をもつ5軸ボディ内手ブレ補正も搭載した。 フォーカスエリアのスポットにはXLとXSを追加。従来のXLとXSと合わせて計5つから選択できる。 ■ AIによる被写体認識 α1 IIのトピックは「AIプロセッシングユニット」の搭載で、これが従来機からの性能向上に大きく寄与している。 主だったところは被写体認識性能の向上だ。α1 IIは人物、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機の被写体認識に対応。従来機は人物、動物、鳥のみだった。 従来機比で、人物の瞳の認識性能は約30%、動物の認識性能は約30%、鳥の認識性能は約50%向上しているという。また、ソニーでは初めて被写体の選択に「オート」を追加。設定を切り替えることなく被写体を認識できるようになったとしている。 また人物の姿勢推定技術は、頭と体の情報も認識できるようになった。従来機は目と顔からのみだった。 AIプロセッシングユニットの搭載により、AWBの精度・安定性がさらに向上したという。カメラ前面に搭載した「可視光+IRセンサー」との組み合わせにより、特に日陰シーンでより正確なホワイトバランスが得られるようになった。 ■ 動画撮影時のAF性能が大幅に向上 動画撮影時における「リアルタイム被写体認識」に対応。被写体の骨格情報と姿勢推定技術を用いての処理が可能で、被写体の形状や動きを高精度に認識できるようになった。 被写体認識「オート」が動画でも利用可能。RECを止められない動画撮影シーンにおいて、認識対象を自動で切り換えられることでスムーズな撮影が可能になるという。 被写体認識は静止画と同様に、人物、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対応する。リアルタイムトラッキングも利用できる。 手ブレ補正機能としては「ダイナミックアクティブモード」を搭載。「アクティブモード」よりも補正効果が30%向上し、例えば小走りをしながらでも安定した動画撮影が可能としている。 被写体が構図内の同じ位置に保たれるようにトラッキングする「フレーミング補正」、被写体を追尾してクロップすることで構図を調整する「オートフレーミング」も搭載する。 そのほかLUTインポートやLog記録への対応、AFアシスト、focusマップなど、動画撮影をサポートする機能がα9 IIIと同等に搭載している。 ■ 操作性の向上など 従来機からグリップ形状を変更。指の当たる部分の角度やグリップの深さを変えたことで、よりフィット感が向上したという。レリーズボタン周りの形状も改善した。 カメラ前面にはカスタムボタン(C5)を追加。そのほかインターフェースには新たに2.5GBASE-Tイーサネット端子を搭載した。 EVFには約944万ドットの高精細OLEDを採用。ファインダー倍率は0.90倍。背面モニターは3.2型約210万ドットの4軸マルチアングル式。 メモリーカードスロットは、CFexpress Type AカードとSD(UHS-II)のデュアルタイプ。 グリッドラインには「黄金分割」を追加している。 対応バッテリーは「NP-FZ100」。それを2個同時に充電できるチャージャー「VX9573」も付属する。
デジカメ Watch,本誌:宮本義朗