16歳未満のSNS利用禁止、違反の運営会社に多額の罰金 オーストラリアが法案提出
オーストラリア・ブリスベン(CNN) オーストラリア政府は21日、16歳未満の子どものSNS利用を禁止する「オンライン安全法案」の修正案を議会に提出した。 ミシェル・ローランド通信相は、同法案の提出を「世界に先駆けたSNS改革」と位置付け、「この改革の目的は、若者を守り、我々が付いていると保護者に知ってもらうことにある」とした。 法案ではSNSの運営会社に対し、16歳未満のユーザーにアカウントを持たせないための「合理的な措置」を講じることを義務付け、違反した場合は5000万オーストラリアドル(約50億円)以下の罰金を科す。 禁止対象にはティックトック、X、インスタグラム、スナップチャットなどが含まれる見通しだが、禁止サービスの一覧はまだ公表されていない。 法案は超党派が支持しており、可決されれば1年以内に施行される。 SNSをめぐっては、ネットいじめを理由に自殺する子どもが相次いで問題になっていた。 保護者や禁止賛成派は、オーストラリアの子どもが利用するサービスに関して運営会社に責任を取らせるべきとの立場から、法案を歓迎している。 一方で、禁止されれば10代の子どもたちが支援ネットワークにアクセスしにくくなり、禁止をかいくぐる者にとってのリスクが増大するとの批判もある。 それでも子どもが長時間ネットを使用することのリスクや、運営会社が安全対策を強化する必要性については双方が一致している。 オーストラリア政府は英国の団体に委託して、子どもにSNSを使わせないための年齢認証技術の試験運用も行う。 運営会社に対しては、ユーザーの安全を守ってネット上の危害を防止するための「デジタル注意義務」を提案。ユーザーが苦情を申し立てたり当局が行動を起こしたりできるようにする。