エルメス「バーキン」を巡る集団提訴、日本での違法性を弁護士が解説
2024年3月、「エルメス(HERMES)」がアイコンバッグ「バーキン(Birkin)」を販売する方法が独占禁止法違反や不公正な商慣習に該当するとして、消費者2人が米カリフォルニア州でクラスアクション(集団訴訟)を起こしたと複数の海外メディアが報じた。提訴した原告らは、バーキンを購入するチャンスを得るためには、別の商品を一定数以上購入しなければならないことが違法な抱き合わせ販売だと主張する。仮に原告らが主張する販売方法が日本でも行われている場合、問題となるのだろうか。 野菜で作られたバーキン
VIP顧客のみ案内?賛否集まる販売方法
今回アメリカで集団訴訟を提起した原告2名は、「バーキンはオンラインで購入することはできず、店舗に陳列されることもほとんどない」「エルメスの店舗にふらっと立ち寄ってバーキンを購入することもできない」と主張。また、エルメスの販売員は「靴やスカーフ、ベルト、ジュエリー、ホームグッズといった付属的な商品について十分な購入履歴を確立している個人にのみにバーキンを提供するよう指示されている」と主張し、原告ら自身も「バーキンのバッグを手に入れるチャンス」を得るためには、そうした商品を購入する必要があると複数回言われたと主張する。上記のことから、エルメスがバーキンを購入するチャンスを得るためにその他の商品の購入を消費者に強制することは、“抱き合わせ販売”に当たり、違法行為だと主張する。 エルメスの店頭にバーキンが並んでいないことは、ファッションに関心のある者であれば、有名な話だろう。今回の報道に対して、原告らを支持する声もある一方で「ブランドイメージを守るためにも必要なこと」「転売などを防ぐ手段として効果的」「ラグジュアリーとはそういうものだ」など、ブランド側に理解を示す声もみられる。また、SNSでは、限られた顧客のみに人気の商品を販売する手法は「ロレックス(ROLEX)」や「フェラーリ(Ferrari)」などでも起きていると指摘するコメントが散見される。