アニメをキッカケに新小惑星「Ao」誕生!由来はキャラの名前、作中の夢が“リアルで叶う”出来事に感激の声
研究者と学生、一般市民とが協力し小惑星などの未発見天体を探索するプロジェクト「COIAS」は3日、運用開始から1年が経過するなか、新たに小惑星を発見し、同天体の命名提案権を得て「Ao(あお)」を命名したことを発表した。 【関連】望遠鏡がなくても未知の天体を発見できる「COIAS」の使用イメージ・原作者によるコメント COIAS(よみ:コイアス)は、ハワイ・すばる望遠鏡の画像データを用いることで、これまでに誰も見つけていない数100m程度の小さな小惑星を見つける市民天文学プロジェクト。小惑星のほか太陽系外縁天体を見つけることを目指し、2023年夏に一般提供を開始している。発表当時は国際会議のACMにてポスターセッションも行っていた。 このプロジェクトの興味深い点はその誕生経緯にあり、発足のきっかけからアプリケーション名まで、2020年に放送されたアニメ『恋する小惑星(通称:恋アス)』から来ている。
マンガの世界が現実で叶う展開に
月刊マンガ誌「まんがタイムきららキャラット」にて連載されたQuro氏による漫画を原作とする本作。高校の地学部を舞台に、小惑星を見つけたいという夢を持った主人公と、その周囲の地学系女子による青春物語が描かれており、放送当時は天文学や地学などの学術的な内容が詳しく説明されていたことから、興味関心のある層からも注目を集めていた。 そしてこの度、同プロジェクトの観測成果として、未発見と見られる小惑星に関する命名権を獲得。プロジェクト側は「Ao(あお)」という、『恋アス』のメインキャラクターである「真中あお」にちなんだ名前を提案した。この報告がなされると、プロジェクト公式SNSでは4,000件を超える「いいね」を獲得し話題になった。 特に作中において、真中あおは「自分で新たな小惑星をみつけ、その天体に『あお』と名付けることを夢見ている」という設定でもあったことから、作品を知るファンやマンガ誌のファンからは多くの驚きと祝福の声が寄せられた。 また、原作者のQuro氏も「名称としてAoをご提案頂けましたこと、大変光栄です」とコメントした。プロジェクトでは未発見の可能性がある観測された天体の候補数は16万にのぼるといい、公式は「更なる小惑星の軌道精度向上への貢献に加え、第二第三の命名権の獲得に向けて活動を続けていこうと思います」と意気込んでいる。 (c)Quro・芳文社/星咲高校地学部
編集部 アニメ情報担当