【2025年の旅行トレンド】ヘルスツーリズムの進化系「長寿リトリート」に注目 非日常的娯楽ではなく、よりよき日常習慣のきかっけづくりが目的
2025年の旅行トレンドはどうなるのか? 旅行会社JTBが2024年12月に発表した「年末年始の旅行動向」によると、国内旅行者は前年並みで、海外旅行者はやや増加の兆しがある。また、インバウンドは過去最多となるなど、“アフターコロナ”から1年半、「旅」は完全に復活した。
一方で旅の多様化も進み、「宇宙」「体験・没入型」「オールインクルーシブ」などいくつものキーワードが並ぶ。シニア層が注目するのが、「長寿リトリート」だ。旅行ジャーナリストの村田和子さんが言う。 「ヘルスツーリズムの進化系であり、ウェルネス(よりよく生きようとするあり方)のひとつでしょう。健康寿命をどう延ばすかが大きなテーマになるなか、旅行期間だけリラックスして一時的に元気になるのではなく、もっと長い目で、人生をご機嫌に健康に過ごせるような日常習慣のきっかけづくりとなるような旅だと考えてみてください。 温泉や食、森林セラピーなど、その土地の特色を生かした取り組みを各地で実施しています」
大分県の武田温泉では“現代湯治プログラム”
旅行といえば、グルメもひとつの楽しみだが、長寿リトリートではひと味違った食事が目玉のようだ。 「旅行は非日常で、食事についてもカロリーや糖質なんて気にせず豪華なグルメを楽しむというのが多くの定番でしたが、むしろ、日常の食生活を見直すきっかけになるような、体にいいものを食べる、整えるといったものを意識的に組み込んだプログラムも魅力となっています。 ファスティング旅行など、以前からこうしたニーズはありましたが、よりフォーカスされてきた印象です」(村田さん・以下同) 実際に、どのようなツアーがあるのだろうか。 「土地の特色を生かしたプランが多いので、市町村など自治体が中心となってプランニングしているものがおもしろいです。たとえば、大分県の竹田温泉では市が中心となって希少な炭酸泉を生かした“現代湯治プログラム”を推進しています。湯中運動などを盛り込んだ滞在プログラムをウェブサイトで公開、専門家が希望に合わせて健康増進プログラムを作成してくれるサービスもあります。 また、ラビスタ富士河口湖(山梨県)や、ヘルスリゾート天空の庭天馬夢(あまむ・茨城県)などが提案【※注】する、旅を楽しみながら体を整えるプランもおすすめです」 【※注/宿泊プランは、時期によって設定がない場合や異なることがあります】 体が喜ぶ極上の旅を体験してみてはいかがか。 ※女性セブン2025年1月2・9日号