増税後に家を買っても損しない「すまい給付金」とは/いちのせかつみの生活経済
消費税アップまで秒読みとなってきました。 増税前に買っておいた方がいいと駆け込み需要が話題になっていますが、果たしてお得なんでしょうか? 高額なものほど、増税分のダメージが大きくなるため、増税前に行動を起こすことで負担を少しでも減らしたいと考えるのは当然のことかもしれません。
「エコポイント」で焦った結果、どうなった?
マイホームの引き渡しが今年の4月以降になっても、2013年9月末までに契約していれば現行の5%を適用することができる特別措置が終了しましたが、予測に反して10月以降の売れ行きは好調なようです。 忘れていませんか? 2009年に実施された「エコポイントによるグリーン家電普及促進事業」の時のことを。エコポイントが欲しくて多くの方がテレビやエアコン、冷蔵庫などをこぞって買い換えました。その結果、制度が終わった後は、これらの商品は全く売れず、大きく値崩れしてポイントより値下げ幅の方が断然お得だったことがありました。 住宅に関しても1997年4月に消費税が3%から5%に引き上げられた際、増税後の発売戸数が大幅に落ち込んだことがあります。 今回もよく似た現象が起こるかもしれないことに政府は懸念し、購入金額が大きいマイホームに関して増税前後の需要バランスが崩れないような政策を実施する予定です。
増税後に買っても「すまい給付金」という味方が
簡単に言えば、「増税の前に買っても、後で買ってもどちらも損はしない」という増税に対応した住宅取得支援制度のことです。 以前からあった「住宅ローン減税」の拡充と新たに創設された「すまい給付金」によって増税負担を軽減しようというものです。 住宅ローン減税は、毎年の住宅ローン残高から1%を10年間、所得税から控除(所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除)でき、最大200万円まで可能でしたが、今回の拡充によって最大400万円まで(長期優良住宅や低炭素住宅の場合は、500万円)可能となりました。 ただし、住宅ローン減税の拡充効果は低所得者には限定的となってしまうためマイホーム取得者の収入によって給付額を決定するのが「すまい給付金」です。 「すまい給付金」は道府県民税の所得割額に応じて「給付基礎額」が決定され、これに不動産登記の「持分割合」を乗じた額が給付額になります。ちなみに給付基礎額は収入によって異なりますが、最高30万円(消費税が10%になった時は、最高50万円になる予定)となります。この他、マイホームを現金で取得した場合にも様々な条件づきですが、控除や給付金を受けることが可能です。 このように先走って購入しなくても増税分の負担を軽減してくれる住宅取得支援制度があることを知っておいて欲しいです。