元巨人のガルシアは今やMLB屈指のスラッガーに成長。守護神としてヤクルト日本一に貢献したマクガフは...【MLB“元助っ人”たちの2023通信簿】<SLUGGER>
▼ニック・マルティネス(パドレス) 通信簿:まずまずです 開幕当初と終盤戦は先発で起用されたが、シーズンの大半はリリーフで15ホールドを記録。106奪三振、防御率3.43はいずれも自己ベストだった。ボブ・メルビン監督からも「どんな役割でもこなせて文句一つ言わない」とユーティリティぶりを評価された。ただし本人は「リリーフで投げるときの気持ちの高まりも悪くはないけど、やっぱり先発がいい」。 ▼コリン・レイ(ブルワーズ) 通信簿:まずまずです ソフトバンクで2年間投げた後にブルワーズとマイナー契約を結ぶと、3Aと往復しながら22先発をこなした。QSは4回だけで防御率も平凡だったが、当初の期待度を思えば及第点の出来と言っていい。サービスタイムはまだ4年程度だが、日本人選手と同様、契約にオフはFAとなることを認める条項があったが、1年450万ドルで再契約した。 ▼ドリュー・バーヘイゲン(カーディナルス) 通信簿:まずまずです 日本ハムからメジャーに復帰して2年目の今季は自己最多&チーム2位の60試合に登板。足を高く上げない投球フォームに変えてスイーパーを多投するようになり、得点圏では被打率.161に抑えるなど粘り強さを発揮した。ただ、同地区との対戦で18試合で防御率5.82と打ち込まれたのはマイナス。唯一の黒星がついたのも9月2日のパイレーツ戦だった。 ▼マイルズ・マイコラス(カーディナルス) 通信簿:可もなく不可もなく 3年5575万ドルの契約1年目は2年連続3度目の200投球回をクリアしたものの、被安打226本、自責点107はいずれもリーグワーストと精彩を欠いた。被安打10以上が4度、2ストライクまで追い込みながら打たれる場面も多々あって「頭に来ることが多かった。グラウンド上でもゴルフコースでも」と、冗談を交じえつつ不満足なシーズンを振り返った。 ▼スコット・マクガフ(ダイヤモンドバックス) 通信簿:可もなく不可もなく ヤクルトの抑えの切り札だった右腕が8年ぶりにメジャー復帰。最初の15登板で3度の救援失敗&敗戦を喫するなど不安定だったが、それでも5月14日から17試合連続自責点ゼロと復調し、この間5セーブを挙げるなど一時はクローザーに定着しかけた。だが、7月以降は防御率7点台と乱調で、終盤戦は右肩を痛めてプレーオフのロースターから洩れた。 ▼ロベルト・スアレス(パドレス) 通信簿:がんばりましょう 阪神から移籍してメジャーデビューを果たした22年は好成績を残し、プレーオフでも印象的な活躍を見せた。だが、5年4600万ドルの長期契約を結んだ今季は開幕直前に右ヒジ痛で離脱。7月下旬の復帰後も奪三振率と被本塁打率が大きく悪化するなど、苦しい投球が続いた。8月23日のマーリンズ戦では粘着物質使用で退場、10日間の出場停止となった。 ▼オスカー・コラス(ホワイトソックス) 通信簿:がんばりましょう キューバからソフトバンクへ派遣されていた2020年にアメリカへ亡命。今季開幕戦でメジャーデビューを果たし、初打席で安打を放った。正右翼手候補と期待されていたがすぐ力不足を露呈し、4月末に3A落ち。再昇格後も打撃は冴えなかったが、7月24日のツインズ戦ではライトから100.9マイル(今季MLB最速)の見事なレーザービームを披露した。 文●出野哲也 【著者プロフィール】 いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
【関連記事】
- 大谷、近藤は文句なしで「よくできました」。一方、22年三冠王の村上は思わぬ不振に苦しむ【WBC侍ジャパン戦士の2023年通信簿:野手編】<SLUGGER>
- “日本のエース”山本由伸は貫禄の最高評価。ともに故障離脱の大谷と佐々木朗の評価は?【WBC侍ジャパン戦士の2023年通信簿:投手編】<SLUGGER>
- 大乱闘劇を繰り広げたラミレスとアンダーソン、ファンに食ってかかったレンドーン、シャーザーには不正投球疑惑...【2023MLBお騒がせ事件簿】<SLUGGER>
- 大谷一色に染まった夏の祭典、ダブルヘッダーで完封&2本塁打の離れ業..【2018-23大谷翔平BEST GAME10選:後編】<SLUGGER>
- 記念すべきメジャー初安打に日本人初のサイクル、初の“リアル二刀流”...【2018-23大谷翔平BEST GAME10選:前編】<SLUGGER>