修学旅行の「位置づけ」見直す学校が増加、見学地や交通手段の変更も、2023年度は王道の旅先が人気復活 ―日本修学旅行協会調べ
日本修学旅行協会は、2023年度に実施された中学校・高等学校の修学旅行に関する状況、今後のあり方や変化をまとめた全国修学旅行調査の速報版(教育旅行年報データブック2024)を公開した。全国の国公立、私立の中学校9944校から3200校、高等学校4791校から3200校を抽出し、アンケート調査を実施。中学校1038校、高等学校1123校から回答があった。 これによると、中学校1038校のうち、修学旅行を国内で実施したのは94.9%、海外は3.8%。海外は2022年の0.4%から3.4ポイント増加した。実施時期は2022年度と同じく国公立が5月に集中し、私立は10、11月が多かった。行き先のトップ5は京都(シェア24.2%)、奈良(18.7%)、東京(8.7%)、大阪(8.7%)、千葉(5.8%)の順。トップ5は軒並みシェアを伸ばしており、一部地方に分散していたコロナ禍に比べ、王道の関西、首都圏の人気復活がうかがえる。 また、高等学校の1123校においては、国内が94.1%、海外が4.2%。海外での実施は2022年度の0.2%から4ポイントに増加した。実施時期は国公立、私立ともに10~12月が最も多いが、私立は6月、2、3月と分散化もみられる。行き先のトップ5は沖縄(シェア12.8%)、大阪(12.7%)、京都(10.9%)、東京(9.6%)、千葉(8.5%)の順。2022年度は3位でシェア7.9%だった沖縄がトップに返り咲いた。北海道も2022年度の9位(4.2%)から7位(5.5%)に順位を上げた。
体験や見学地、交通手段を見直す動きも
重点を置いた活動は「歴史学習」が、中学校、高等学校ともに群を抜いてトップだった。また、班別自主行動の実施率については、中学85.5%、高等学校86.3%で、それぞれ2022年度の71.7%、77.6%から増加している。 また、今後の修学旅行のあり方については、「行事の目的・ねらい、位置づけを見直す」「総合の時間と連携」との回答が多い。実施方法では「見学地、体験内容の見直し」「交通手段を変更する」との意見も多かった。体験内容では、中学校が「探究型プログラムの実施」「平和教育・平和学習を取り入れる」「SDGsをテーマとしたプログラムの実施」、高等学校が「平和教育・平和学習を取り入れる」「異文化体験・英語学習を取り入れる」「探究型プログラムの実施」が上位だった。
トラベルボイス編集部