【とっておきメモ】ヤクルト4位ルーキー鈴木叶、戸田寮に入寮前に恩師から渡された一冊とは
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク3-9ヤクルト>◇12日◇みずほペイペイドーム 今日が夢叶(かな)った日となった-。ヤクルトのドラフト4位ルーキー、鈴木叶(きょう、18)が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で「8番捕手」のスタメンマスクでプロ初出場。同点の4回2死満塁で左前適時打で2点を勝ち越した。18歳とは思えない落ち着いたリードも見せ、史上初めての高卒新人捕手のデビュー戦V打をマーク。06年の第1回WBCで日本が初優勝した日に生まれ「自分の夢も叶えてほしい」と名付けられた世界一の子が、華々しく船出を飾った。 ◇ ◇ ◇ 高校時代の恩師から託された本の教えが、鈴木を支えている。ヤクルトの戸田寮に入寮前。常葉大菊川のの石岡諒哉監督(35)から一冊の本を受け取った。タイトルは「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」(小宮一慶著)。経営コンサルタントが執筆した204ページにも及ぶ内容は、いかに当たり前に愚直に、やるべきことを貫き通すかを説いている。そうすることで視界が開けると説く教えが、謙虚な気持ちを思い出させる。 「初心の気持ちで、当たり前のことをばかになってちゃんとやる。誰でもできることをやっていきたい」。憧れたプロの舞台で周囲を驚かせる活躍をした裏には、きっとそんな良書が役立っているに違いない。