UCCが自社農園のハワイコナ100%コーヒーを数量限定発売する理由
UCC上島珈琲の中平尚己農事調査室室長は「自社農園で得た知見は、アフリカを中心に他のコーヒー農園で活かしている」と述べる。 一例を挙げると、タンザニアでは自社農園の気候変動への対応を水平展開している。 「タンザニアでは平均気温が年々上昇し、シェードツリーの無かった畑では、コーヒーの木が枯れてしまうことがあった。そこでシェードツリーを活用する農法を共有することで、再びコーヒーの生産を可能にし、サプライチェーンを強化した」と語る。 地域によっては、生産性の向上や地球環境保護の情報へのアクセスが難しかったり、知っていても実現する資金が無かったりするコーヒー農園も多い。UCCグループが、これまでの研究結果を示しながら、コーヒー生産と地球環境の保護で協力している。 今後も、自社農園では実験的な活動を行い、自社農園で得られた知見を水平展開していく。 今回発売される「UCC直営農園 ハワイコナ アナエロビコ(豆)100g」は、ハワイコナコーヒーが100%使用されている点が特長。日本で売られているハワイコナコーヒーは、他の豆とブレンドされているものも多いという。 中平室長は「ワインなどの醸造で使われるアナエロビコ(嫌気性発酵)の手法を用いており、シナモンのようなスパイスの香りがありつつ、ハワイコナの尖った酸味を柔らかくしている」と説明する。 同コーヒーは、「UCC Hawaii」のロゴがデザインされたジュートバッグとセットで販売されている。