どうなる病院経営…JA新潟厚生連・村上総合病院で“分娩休止”へ 少子化加速に懸念 市民からも不安の声「地元からなくなるのは困る」
経営危機に陥っているJA新潟厚生連の村上総合病院が2025年春に分娩の取り扱いを休止することが分かった。市内でほかに分娩施設がないことから不安の声が上がっていて、花角知事は医療再編を急ぐ考えだ。 【画像】“分娩休止”に不安の声…「なくなると不便」「人口増やさなければいけないのに」少子化加速が懸念
村上総合病院“分娩休止”へ「何かあった時…」
村上総合病院を含め、新潟県内で11の病院を経営するJA新潟厚生連は、患者数の減少などにより、赤字経営が続いていて、各病院の経営体制の見直しを行っている。 こうした中、村上総合病院が2025年4月から分娩の取り扱いを休止することが明らかとなった。しかし現在、村上市や隣接する自治体で分娩に対応している病院は村上総合病院のみ。 病院では4月以降、妊婦健診などには対応するが、出産時は市外の施設を紹介する方針だ。 これに地元からは「地元からなくなるのは困る。近くにあった方がいいと思うので、なくなると不便。何かあった時は近い方がいいと思う」「違うところに行かないといけない、大変。人口を増やさなければいけないのに」などと今後を心配する声が聞かれた。
経営危機・少子化…「すべての施設維持は無理」
一方、村上総合病院の分娩数は減少傾向にあり、2023年度は117件。病院全体では7億円あまりの赤字だった。 こうした事態に花角知事は「通常の分娩の得られる収入とでみると、(経営が)成り立たないと聞いている。一般的には。急速に少子化が進んでいる中で、今まであった分娩取り扱い施設をすべて維持していくというのは、それはもう無理」 花角知事は11月13日の会見で病院の方針に理解を示し、質の高い医療を提供するために、医療圏ごとに病院の機能を集約する必要があるとの考えを示した。 「集約して、そこは完全に安全安心でクオリティーの高いサービスが提供できる施設として存続・持続していただくということ。安心して出産できる、子どもを持つことができる環境というのをつくっていきたい」 これに対し、村上総合病院の医療提供体制の維持に向け支援を行ってきた村上市の高橋邦芳市長がコメントを発表。「分娩休止に至ったことは誠に遺憾。地域の医療の大幅な後退であると言わざるを得ない」と指摘。 県は村上市と協議し、市外での出産にかかる交通費の補助などを検討する方針だが、さらに地方の少子化に拍車をかけかねない事態となっていて、対策は急務だ。 (NST新潟総合テレビ)
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