ヘッジファンド、リスクよりもメリット大きい=イタリア債務管理庁長官
Harry Robertson [ブリュッセル 13日 ロイター] - イタリア債務管理庁のイアコボーニ長官は13日、欧州債券市場でヘッジファンドの取引が増えているが、これまでのところリスクよりもメリットの方が大きいと述べた。 ヘッジファンドはユーロ圏国債市場で最大の投資主体となっており、ロイターの3月の報道によると、主要電子取引プラットフォーム「トレードウェブ」上ではヘッジファンドによる取引が全体の半分以上を占めている。イタリア債についてはトレードウェブ上の取引の3分の2がヘッジファンドによる取引。 イアコボーニ氏はブリュッセルで開催された欧州金融市場協会の会議で「今のところ、リスクよりもメリットの方が大きいと思う」とし「これはわれわれが対処すべき問題であり、リスクとメリットのバランスを取ろうとしている」と述べた。 また「私たちはヘッジファンドをひとくくりに分類できないことを時間をかけて学んだ」とし、ヘッジファンドにはさまざまな戦略があると発言。「大手については情報を把握して戦略を理解する必要がある」と述べた。 同じ会議に出席した欧州安定メカニズム(ESM)の最高財務責任者(CFO)の上級顧問を務めるオリビエ・プジャル氏は、ヘッジファンドが市場に参加することで取引が増え、市場が効率化していると指摘。 その上で、短期筋による市場の支配が一段と増すリスクもあるとし「ヘッジファンドには市場にとどまるコミットメントもインセンティブもない。市場が混乱し状況が悪化すると、まずヘッジファンドが資金を引き揚げる。ポジションのデレバレッジや市場からの退出でボラティリティーが高まる」と述べた。