天才エンジニアの流れを汲む極上サウンドのDJミキサー
ニーヴの極上サウンドでDJを。 20年くらい前のプロ用レコーディングスタジオには、SSLかNEVE(ニーヴ)のコンソール(ミキサー)が設置されていたものでした。スタジオの中核ともいえるコンソールは、価格も数千万円から億を超える超高額機材。当時のスタジオ料金は時間あたり5万円くらいしましたが、なにせこうした機材代が高かったのです。 【全画像をみる】天才エンジニアの流れを汲む極上サウンドのDJミキサー SSLとニーヴにはそれぞれ音のキャラクターがあり、パキッとした立ち上がりで音に元気があるSSLと比べると、ニーヴは中低域が豊かで耳なじみがよい傾向がありました。特にオールドニーヴと呼ばれるビンテージ機材は、今でも多くのミュージシャンに愛用されています。 そのニーヴ社を立ち上げたエンジニアがルパート・ニーヴ氏。グラミーも受賞した巨匠で、多くの音楽家から信頼を集めてきました。残念ながら2021年に亡くなってしまいましたが、氏が生前最後に立ち上げたRupert Neve Designs社は、現在も多くの録音機材を作っています。
ミックスしやすいロータリー仕様
このAlphaTheta euphoniaは、Rupert Neve Designs社と共同開発されたトランス回路を採用したDJミキサーです。デジタル部分も優秀で、96kHz/64bit浮動小数点ミキシング処理が可能な高品位なDSPを搭載。デジタル世代のニーヴサウンドが楽しめるDJミキサーって感じでしょうか。 フェーダーは縦フェーダーではなく、微妙な音量調整がしやすい丸型のロータリーフェーダーを採用。キックだけ、歌だけをがっつりカット&ブーストできる3バンドアイソレーターも装備しているし、ジャンルとしてはハウス系ですね。 5種類の空間系エフェクト(DELAY、TAPE ECHO、ECHO VERB、REVERB、SHIMMER)とハイパスフィルターも搭載しているので、ギミックを効かせたミックスが可能です。rekordboxやSeratoといったDJソフトにも対応。音量レベルを視覚的に管理できる「ENERGY VISUALIZER」機能も便利です。 緻密なロングミックスを、このミキサーでやったら気持ちよさそう。ノブの大きさも絶妙で操作感もよさげ。デザインも高級感あります。堂々たるプロ仕様DJミキサーです。 価格は57万2000円と、DJミキサーとしてはなかなか高額ですが、BOZAKやUREIといった高級なハウス向けミキサーだって中古でも40~50万円しますからね。ニーヴの回路を積んだプロ仕様ですし、検討の価値はあると思います。 Source: AlphaTheta
巽英俊