小田香が日本の地下世界を捉えた「Underground アンダーグラウンド」来年公開
「鉱 ARAGANE」「セノーテ」の小田香による最新作「Underground アンダーグラウンド」が2025年2月に公開決定。ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱、メキシコの洞窟内にある泉を舞台としてきた小田が、本作では日本の地下世界にカメラを向けている。 【画像』小田香の監督作「Underground アンダーグラウンド」場面写真 「“地下世界”を描く作品としては節目となる作品」と小田が語る本作では、3年をかけて日本各地をリサーチし、土地に宿る歴史と記憶をたどった。人々の声に耳を傾け、これまでとは異なる撮影体制で地下の暗闇を16mmフィルムに焼き付けていく。映画作家・ダンサーの吉開菜央が、ある女の姿を借りた「シャドウ(影)」という存在を演じ、松永光雄、松尾英雅も出演している。 小田は「死、失われた者、遺されたもの、それらの気配が漂う地下空間で、束の間、映画という装置で時間を動かす。隠したり、隠れたり、隠されたりする空間が照らされ、生者の視線と交わる。『わたしたち』という奇妙な事象が更新される。地下と地上、失われたものとまだあるもの、生者と死者、双方を撮影し、『わたしたち』の像を立ち上がらせたかった」とコメントした。 「Underground アンダーグラウンド」は東京・ユーロスペースほか全国で順次ロードショー。 ■ 小田香 コメント わたしたちが滅びた後、わたしたちがここに本当にいたということを遺せる術はなんだろう。 わたしたちが人と呼ばれる前にもわたしたちはいただろうが、人と呼ばれなくなった後も、生痕を宿した記憶を繋いでいけるだろうか。 死、失われた者、遺されたもの、それらの気配が漂う地下空間で、束の間、映画という装置で時間を動かす。 隠したり、隠れたり、隠されたりする空間が照らされ、生者の視線と交わる。「わたしたち」という奇妙な事象が更新される。 地下と地上、失われたものとまだあるもの、生者と死者、双方を撮影し、「わたしたち」の像を立ち上がらせたかった。 (c)2024 trixta