センバツ開会式の司会者に 長崎日大高3年の宝蔵寺花映さん 「観客に元気届けたい」 /長崎
19日に阪神甲子園球場で開幕する第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)で、長崎日大高3年の宝蔵寺(ほうぞうじ)花映(かえ)さん(18)が開会式の司会者に選ばれた。宝蔵寺さんは「観客に元気を届けられるよう明るく司会を進行したい」と気合十分だ。 放送部と演劇部に所属する宝蔵寺さんは2年生の時、NHK杯全国高校放送コンテストの朗読部門で準優勝。昨年のセンバツで閉会式の司会を務める予定だったが、新型コロナウイルスの影響で大会が中止になり、晴れの舞台に立つことはできなかった。 司会を任されていた卒業式や県内の放送コンテストも中止になり、「ライバルたちの声が聞けず、大勢の前で成果を出すこともできず悔しかった」。それでも「来年こそはセンバツの司会ができるかもしれない」と諦めず、滑舌や発声がなまらないように仲間と自主練習を続けてきた。 今年のセンバツの開会式で大役を任されると知ったのは昨年12月。「本当にうれしかった。昨年以上にやる気でいっぱいになった」と笑顔で振り返る。 夢舞台まであと2日。宝蔵寺さんは「テンポには自信があるけど、意気込むと声が低くなるので、開会式では感極まって力まないようにしたい」とはにかみ、「コロナで部活ができなかった多くの生徒の思いを胸に、落ち着いて司会を全うしたい」と話す。 中学時代から宝蔵寺さんの声に魅了され、NHK杯への挑戦を促した放送部顧問の菅博志教諭(63)は「誰が聞いても心地よい声で間の取り方が抜群。状況に応じて声を使い分けることができる」と太鼓判を押す。 宝蔵寺さんは4月から日本大芸術学部放送学科で学ぶ予定で、「カメラや音声など裏方も学びつつ表現力を磨きたい。将来の夢は声優です」。センバツ開会式での経験を糧に更なる飛躍を誓う。【松村真友】 〔長崎版〕