「今後一層守っていきたい」 ユネスコの「無形文化遺産」に日本の「伝統的酒造り」登録決定【徳島】
JRT四国放送
ユネスコの「無形文化遺産」に、日本の「伝統的酒造り」が登録されることが決まりました。 (徳島県酒造組合 齋藤智彦会長) 「なかなか、ユネスコに登録されることは非常に難しいこと。正直難しいと思っていたが」 ユネスコ政府間委員会は、日本時間の12月5日、日本酒や焼酎、泡盛などを造る技術である「伝統的酒造り」を、ユネスコの無形文化遺産に登録することを決めました。 これを受け、徳島県内の酒造関係者からも喜びの声が上がりました。 (徳島県酒造組合 齋藤智彦会長) 「非常に喜んでおりますし、ご尽力くださった皆さんにも感謝申し上げたい」 昭和14年創業、齋藤酒造場です。 昔ながらの「槽搾り」という技法で、すっきりとした軟らかい口当たりの日本酒「御殿桜」を製造しています。 (齋藤酒造場 齋藤智彦代表取締役) 「こちらは純米酒のもろみ。米、水、麹、酵母を混ぜてある。20日から30日ほど発酵させた後に絞って、お酒になる。当社は昭和14年創業ですが、当時から日本酒の造り方は全く同じです」 こうした技法が今回「伝統的酒造り」として、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。 室町時代に原型が確立されたあと、日本各地の気候風土に合わせてそれぞれに発展し、杜氏や蔵人らによって受け継がれてきました。 (齋藤酒造場 齋藤智彦代表取締役) 「今回のユネスコ文化遺産登録は、日本酒や焼酎そのものが登録されたわけでなく、日本の伝統的な酒造り技術や伝統・歴史文化そういったものが登録されて保護されることになる。今後一層守っていきたい」 しかし、徳島は酒造りが盛んではなく、2022年の製造量は統計が公表されている全国44都道府県の中で最下位でした。 今回の登録は新たな市場を広げるチャンスです。 (徳島県酒造組合 齋藤智彦会長) 「実際厳しい状況。県酒造組合に19社加盟しているが、なかなか伸び悩んでいる。ユネスコの登録をきっかけに(徳島の)個性を出しながら、普及拡大に努めてまいりたい」