海外メディアはドーハ世陸の酷暑マラソンを強烈批判「修羅場と化す」「健康に懸念」
英国のBBCも、「ドーハの消耗が激しい気候条件の中、68人中28人が棄権したが、ケニアのルース・チェプンゲティッチが勝った」と、気温32度、湿度70%を超えた状況でのレースを伝えた。記事は、「ドーハの気候条件がマラソンを走るのに適していない危険があったにもかかわらず、大会主催者はスケジュール枠での競技の実施を決断した」と批判。 エチオピアのマラソンコーチ、ハジ・アディロ・ロバ氏は、東京マラソンを制したルティ・アガを含む3選手全員が、走るのを止めるのを目撃。「我々の国ではこんな状況でマラソンを走らせることは決してないだろう」と、レース中にBBCスポーツにコメントした。 米ヤフースポーツは、「カタールの『煮えたぎるような暑さ』で世界陸上女子マラソンの41%がゴールできず」との見出しを取り、「大会前から、この国のうだるような夏の気温が、マラソンやその他の長距離走競技に危険な状況を生み出すかもしれないとの危惧があった。(マラソンが)始まって、それらの危惧が現実となった」と批判した。 「世界陸上が、毎年9月の気温が30度から40度となるドーハで行われると発表された瞬間から、この最悪の事態は、予測できたことだ。中東の国が世界陸上を主催するのはこれが初めて」と指摘した。 「大会主催者たちは、コース脇に給水所と救護隊員を増やし、IAAF(国際陸上競技連盟)の医療派遣団員に『過酷な苦痛』を伴うレース前、もしくは、レース中に選手たちを棄権させる権限を持たせるなど暑さ対策を行っていた」とも紹介。その一方で、「増やされた給水場は、ろくに使われず救護隊員が頻繁に必要とされることになっただけだった」と、それらの対策が何の役にも立たなかったことを明らかにした。 女子マラソンの開始前には、中止も噂され、国際陸連は、レース中の気温が30度以下になることを予想してスタートの約10時間前に、決行を発表したが、出場選手の4割が途中棄権となる異常のレースになったため最終日の男子マラソンの実施についても議論が起きそうな気配となった。