ミスト噴霧や遮熱性舗装など 2020東京五輪の暑さ対策
マラソン代表決定レースなどで効果を検証
こうしたテストイベントの終了後、東京都はその効果を一つ一つ検証。ハード面では「日かげのない場所に単独で設置したミストは効果が限定的」と課題もある一方で、ソフト面では「『体を冷やす』グッズはおおむね高い評価。特に、ネッククーラーなど首元を冷やすグッズの評価が高い」ことなどがわかりました。こうした検証結果をもとに、必要に応じて設備を追加するなど、さらに暑さ対策を見直し、本番に備えるとしています。 他にも東京都は、ミスト噴霧設備の設置をはじめ暑さ対策に取り組む区市町村や企業などに助成したり、暑さ対策の機運を盛り上げるために、都内の企業や各種団体に打ち水の実施を呼びかける打ち水キャンペーンも実施しています。 これらの暑さ対策について、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は10月3日に開かれたIOC理事会後の記者会見で、評価する発言をしていました。 ところが、暑さへの懸念からマラソンと競歩の会場を札幌に変更するというIOCの決定が、わずか約半月後の10月15日に東京都に伝わります。 突然の知らせに東京都は当然のように猛反発。10月30日に都内で始まったIOC調整委員会で、東京都側は改めて東京開催を主張しましたが、IOC側は札幌開催の姿勢を崩しませんでした。11月1日正午からは、ジョン・コーツIOC調整委員会委員長、大会組織委の森喜朗会長、小池百合子都知事、橋本聖子五輪担当相による四者協議が開かれます。マラソン、競歩の開催場所の行方はいったいどうなるのでしょうか。 (取材・文:具志堅浩二)