宮城・南三陸町長が記者会見(全文2・質疑)南三陸町、将来の夢について
震災前と同じことをやっていてはダメということに気付いてくれた
じゃあ3点目。もう1つ。夢がっていう、ね。南三陸、将来の夢がって。私、1つはうちの町民の、産業に携わってる方々が、震災前と同じことをやっててはダメだよねっていうことに気付いてくれたっていうことが1つ大きいんです。で、ここまでいいんですよね。 まず、1つはさっき隈研吾さんの話、出ました。新国立競技場のコンセプト、木と緑のスタジアムと。あそこの木を使うっていうのは、基本的にオリンピックではFSCという国際認証を取った木しか使えない。ロンドンオリンピックのときもそうでしたけど、で、そういう木しか使えない。で、たまたまうちが去年の9月に、うちの森林、FSCの取得取ってるんですよ。で、さっき言いましたけど隈さんとうちは大変、まちづくりの関係で近くなっていますので、その辺のいわゆる私のトップセールスといいますか、そういうことでお願いして、国立競技場に南三陸の良質なスギ、すごいうちのスギ、きれいなスギなんで、そのスギを国立競技場に使ってもらうと。そうすると、うちの誰か知らない人にでも、ここの競技場に使ってる木はうちの町の木、使ってますよと言ったらこれはすごいもううれしい、町民も喜ぶと思います。これがまず1つ目。 それともう1つは、いまは森林の認証って言いましたけど、もう1つは海の国際認証っていうのがあります。これは、ASCっていうやつなんですが、今、うちはこれ申請をしておりまして、震災前うち、カキとかの養殖っていうのはもう、湾内でこう密殖してたんです。ですから、3年ぐらいやらないと、まあ、養殖しないと出荷できなかった。ところがこれは、震災前から密殖だっていうのは誰もが分かってた。ところがそれを、なかなか誰も、声、口に出して言えなかった。震災で全部なくなりました。ただ、やっぱりそのことを漁民の皆さんは知ってた。 で、この震災をきっかけに、適正管理の養殖場にしようということで、密殖を完全にやめました。で、やめることによって1年で大きな、すごいおいしいカキ、品質のができるようになる。それをASCという国際認証にいま、申請しています。間もなく取れると思います。 で、このFSCとASCを一緒に取ってる自治体っていうのは、世界でたぶんうちが初めてになります。そういう夢をわれわれは南三陸のこれからの子供たちに、あんたたちの住んでる南三陸っていうふるさとは、こんなに世界が評価する環境のいい町でおまえたちは生まれ育ったんだぞと。そういう誇りを持てというのを子どもたちに伝えてやりたいんです。 いずれ取得できたときには盛大に発表会をやりますので、ぜひとも取材にお越しをいただきたいと思います。 文化放送:ありがとうございました。