知事が泳いで魅力をアピール 諏訪湖視察で可能性と課題探る 長野県
諏訪湖創生ビジョンの目標に掲げられている「泳ぎたくなる諏訪湖」の実現に向けて、阿部守一知事が23日、実際に諏訪湖を泳いで魅力をアピールした。長野県下諏訪町赤砂崎の砥川河口付近で、県議や県職員とともに遊泳。「地元と協力しながら、安全面の配慮など泳ぐ場所としての整備を進めていきたい」とし、湖の可能性と課題を探った。 3年前から諏訪湖を泳いでている共田武史氏(岡谷市・下諏訪町区)ら地元選出の県議が「知事にも実際に泳いで課題を感じてほしい」と声を掛けて実現した。砥川河口付近の湖岸には県が昨年度、砂浜を造成。阿部知事は歩いて湖底の感触を確かめたり、湖に顔を付けて泳いだりして、楽しみながら視察した。 県環境部では2009年から、毎年5月と8月に湖の定点3カ所で水浴場水質調査を実施。今年度の諏訪湖の水質は、大腸菌群の数や油膜の有無、水の透明度などの数値に基づく環境省の判定基準で、5段階評価のうち真ん中の「B」だった。官民協働の取り組みにより水質改善が進んでおり、遊泳可能となっている。 阿部知事は遊泳を終えて「暑い日なので水の中が気持ち良かった」と振り返り、「においなどの違和感はなかったが、湖底が沼地のようになっていて足がとられてしまった。歩き回ると泥が浮かんできて透明度が下がってしまうので、環境改善が必要」などと課題を挙げた。 午後には岡谷市湊の複合施設「レイクフッドオカヤ」で知事と地域住民との意見交換会があり、外国籍の従業員を雇用する企業関係者や子育て世代など約30人が参加。産後ケア事業や学校教育の在り方などについて考えを共有し、人口減少社会でも安心して豊かに暮らせるまちづくりに向けて話し合った。