コーチングの実技試験で大事なこと 【原文】The Elusive Recording
国際コーチング連盟(International Coaching Federation、以下ICF)認定資格の取得に求められている、セッションの録音を行うための大切なポイントを以下にお伝えする。 ICFの認定資格を申請する際に欠かせないステップとして、申請者本人によるコーチングセッションの録音作業がある。最初は簡単な作業と思われるかもしれない。しかし、コーチにとってこの録音は、ICFのコア・コンピテンシーについて自分のスキルレベルを証明する重要なツールだ。ICFがこの録音に特に期待していることもあり、自分のスキルを示すことができる優れたサンプルを用意するのはそう簡単なことではない。 このプロセスで多くのコーチを指導し、ICFのアセッサーチームの一員でもある私の長年の経験をもとに、以下に大切なポイントをまとめた。
一にも二にも録音
完璧な録音が一回でできると思い込んで作業を始めるコーチが何人もいる。そうはいかない。録音ボタンを押したとたんに、プレッシャーがかかる。するとたいていは演技モードのスイッチが入り、落ち着きを失い、セッションはぱっとしない結果に終わる。コーチングを受ける側も録音されていると自意識過剰になるため、あらかじめ録音に慣れてもらう必要がある。 そこで何度もセッションを録音することをお勧めする。録音を習慣化しよう。できるだけ多くのセッションを録音し、それを聴く。録音の回数を重ねるほど、このプロセスに慣れていく。こうして十分に慣れ、録音するという意識がなくなったタイミングでいい録音がとれる。 また、新しいクライアントとの初めてのセッションが、そのコーチのスキルを示す妥当なサンプルになることはまずない。コーチングのパートナーシップを確立し、クライアントがコーチングのリズムに慣れるには時間がかかる。おそらく4回目か5回目のセッションを終えたころに、ベストの状態でコーチングする流れができるはずだ。 忘れてならないのは、提出するコーチングセッションの要件のひとつは、相手が実際のクライアントであることだ。継続的なセッションの相手でなければならない。無作為に選んだ相手との一回だけのセッションでは、この要件は満たせない。