レギュラー番組20本に迫るかまいたちが味わった「テレビ出演ゼロ」の窮地。そのとき売れっ子になるために封印したものとは
ネタ作りに明らかな変化が
興味深いことに、謎の中国人ネタを封印することで自分たちの進むべき方向がはっきり見えてきたのか、かまいたちのネタに変化が生まれたという。コンビのネタ作りは山内が担当している。 「この頃から山内くんが作ってくるネタが明らかに変わってきたんです。彼の本来の持ち味である狂気と開き直りがさまざまにパターン化され、より研ぎ澄まされていったという印象です。 中国人ネタをきっぱり捨て去ったからこそ、演じるキャラや生み出すネタの幅に制限がなくなり、自由自在にお笑いを繰り出せるようになったのでしょう」(本多氏) 以後のかまいたちの大化けぶりは言うまでもない。謎の中国人芸を封印した2008年に上方漫才大賞新人賞を受賞すると、大阪のテレビ番組で年間300本近いロケをこなしながらストロングスタイルの話芸を磨き、2017年にはキングオブコント優勝。 さらには東京へと活動拠点を移した翌年の2019年にM-1グランプリ準優勝に輝くなど、今ではテレビで見かけない日はないというほどの超売れっ子芸人となっている。本多氏が続ける。 「チャン・ドンゴン・ゲンのキャラをきっぱりと捨て去ったときに、たとえ時間がかかってもストロングスタイルの王道漫才で勝負するという覚悟が決まったのでしょう。その意味で、出世芸を封印すると決断したときこそが、かまいたちが人気芸人へと成長するターニングポイントだったと思います」
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