レギュラー番組20本に迫るかまいたちが味わった「テレビ出演ゼロ」の窮地。そのとき売れっ子になるために封印したものとは
テレビ出演ゼロの窮状
「チャン・ドンゴン・ゲンは10年も20年もやり続けられるようなネタやない。キャラネタはウケるのも早いけど、飽きられるのも早い。この芸がウケて注目されている間に次の本格ネタを考えておかんと、芸人としてダメになる。 実際、飛び道具のような一発芸にしがみつき、あっという間に人気急降下というケースは山ほど見てきた。チャン・ドンゴン・ゲンのキャラを封印することで、一時的にくすぶることになってもかまへん。芸人として大成したいのなら、一日も早く謎の中国人ネタを捨てることがいまの君たちには絶対に必要なことなんや」 アドバイスの結果はどうだったのか? 「2008年後半にはふたりは銅鑼を捨て、あれほど大うけしていた謎の中国人キャラを演じることは一切なくなりました」(本多氏) ただし、その代償は予想外に大きかった。テレビ局のプロデューサーに「謎の中国人キャラはもうやりたくない」と伝えるたびに、「それなら番組に出てもらわなくてけっこう」とオファーを取り消されることが続き、ついにはテレビ出演がゼロになってしまった時期もあったという。 だが、ふたりに後悔の様子はなかった。 「この頃はテレビ出演がゼロになるなど、かなり痛手だったはずです。ただ、ふたりにとっては納得ずくのことだったようで、焦っている様子はありませんでした。 というのもチャン・ドンゴン・ゲンを演じることにふたりともすっかり飽きてしまっていたばかりか、別のネタで漫才をやらせてほしいと申し出ても、テレビ局側からは謎の中国人ネタばかりをリクエストされることに、内心では危機感を深めていたんです。 実際に私も山内くんが『キャラネタはウケるのも早いけど、すぐに飽きられる。一方、ストロングスタイルで売れるには時間も手間がかかるけど、その分、長く漫才を続けられる』と話すのを聞いたことがありました。 ちなみに、ストロングスタイルとは『漫才の王道』のこと。派手なキャラや道具、音などに頼ることなく、ふたりでマイクの前に立ち、しゃべくりだけで客席を笑いの渦にするという意味です」(本多氏)
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