県大会2回戦負けからパキスタン代表監督に!25歳「非エリート」の野球人生
子供たちに夢を
色川が指導の上で徹底しているのは、挑戦し続ける自分の姿を見せることと、相手と逃げずに向き合い続けることだ。色川は中学生を指導した経験をこう語る。「子どもたちは常に大人を見ている。大人が逃げ腰で取り組んでいる姿は、すぐに伝わる。僕は子どもたちと向き合い、そして逃がさない」。そしてこう付け加える。「どんな相手でも必ずいいところがあります。型にはめて成功できるわけはない。イラン代表にやったことも同じです」 7月には東北の小学生選抜チームをプエルトリコに連れて行くプロジェクトを企画し、小学生たちを現地の大会に参加させる。「今の社会は、子供たちが夢を見ない。『こういう選択肢があるんだよ』と、さまざまな選択肢や可能性を示してあげたい」と話す。 パキスタンには代表合宿のため8月下旬に渡り、9月のアジア選手権に挑む。2007年大会までオリンピックアジア予選として開催され、長嶋茂雄や星野仙一も日本代表監督を務めたアジア最高峰の大会だ。「中国を倒して4位に入り、次回大会のシード権を確保したい」と意気込む25歳の挑戦から、目が離せない。 (敬称略。中野宏一/THE EAST TIMES)