50歳で評論家デビューする山本昌の2016年いち押しV候補は阪神!
昨季限りで32年間にわたるプロ野球生活にピリオドを打った元中日の山本昌(50)が、THE PAGEのインタビューに答え、“50歳の評論家1年生”として、2016年シーズンのセ・リーグの見通しを語った。 「まだキャンプも何も見ていないので、予想ではなく、あくまでも昨季とオフの間の新聞やテレビで目にした各球団の戦力補強などの情報だけによる感想レベルだけど」との前提で、一押しのV候補チームに挙げたのは、連覇を狙うヤクルトでも巨人でもなかった。 「セ・リーグは、中日を含めて、どこが勝っても不思議じゃない混戦になりそう。ただ、僕は、阪神が強いんじゃないかと見ている」と阪神の名前を挙げたのだ。 阪神は、金本新監督が就任。「超変革」を旗印にチームを勝利軍団へ変えるマネジメントに着手しているが、絶対守護神のオ・スンファンが退団、好不調の波が激しかったが、実績のあるマートンもチームを去った。新ストッパー候補にドミニカンの速球派、マルコス・マテオ、マートンの代わりにブルージェイズなどでプレーした巧打者のマット・ヘイグ三塁手を獲得したが、新外国人がどれだけやるかは未知数だ。 それでも山本昌氏は、独特の感性で阪神に注目している。 「ストッパーに関しては、誰かが出てくるものだよ。(藤川)球児だっているじゃない。楽しみがあるよ。なにしろ金本新監督が、スタッフに矢野コーチ(バッテリーコーチ)とか、若くて指導能力を持ったスタッフを揃えたし、やる気というか、強くなりそうな勢いを感じる。チームの雰囲気がガラっと変わるんじゃないかな。もちろん戦力を整えることが一番大切だけど、それ以上にチームの空気は重要なんだよ。それに今季も、混セになりそうだと考えるのは、巨人が巨人らしくなくなっていること」 ――巨人が巨人らしくなくなっている? 「巨人が強いシーズンは、投手陣と打線に、それぞれ2、3人、どかっとした柱があった。FAで取ってきた大物や生え抜きで怖い中軸が揃っていたが、昨季の戦いを見る限り、坂本、阿部、長野、村田あたりに少し元気がなかった。彼らがどこまで戻るかがキーポイントだろうけど、現時点で絶対的な優勝候補には思えない」 昨季、規定打席に達したのは、坂本と長野の2人だけだったが、その坂本も、打率.269、12本、68打点、長野は、打率.251、15本、52打点に終わり、4番を任されていた阿部も、打率.242、15本、47打点と大不振。村田もスタメン落ちが目立った。 新外国人にメジャー通算122発のヤンキースのギャレット・ジョーンズ外野手、ロッテのクルーズ内野手を獲得して打線を強化、ピッチャーでは13勝3敗のマイコラスと8勝8敗のポレダが残留したのは朗報だが、杉内は夏まで絶望で、内海も昨季2勝1敗に終わるなど、山本昌氏の指摘通り、どかっとした柱がもう1枚足りないという現状がある。