大の里、豪雨被害知り「絶対勝つ」 優勝決めた14日目語る
●金沢場所で「晴れ姿を」、10月6日に新大関凱旋 大相撲秋場所で2度目の優勝を果たし、13勝2敗で大関昇進を確実にした関脇大の里(24)=本名中村泰輝、津幡町出身、二所ノ関部屋=が千秋楽から一夜明けた23日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で記者会見に臨み、「次に向けて、より一層頑張りたい」と決意を示した。来月6日の大相撲金沢場所で新大関凱旋(がいせん)となる見込みで「石川の方がたくさん応援してくれていた。晴れ姿を見せられれば」と心待ちにした。 優勝を決めてから携帯電話が鳴りやまないという大の里。昨夜は取材対応などを終えると、すぐに就寝したというが、まだ寝足りないといった表情で会見場所に姿を見せた。 初土俵から所要9場所で大関昇進となれば、昭和以降では羽黒山、豊山、雅山の12場所を抜き最速。25日の九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)番付編成会議と臨時理事会を経て、昇進が正式に決まる。 デビューから1年半足らずの大の里はまだ大銀杏(おおいちょう)が結えず、極めて異例のちょんまげ姿の大関が誕生する。スピード出世には「気持ちがついていかない。まだ慣れない」と率直な胸中も明かした。 昇進の伝達式では、決意表明の口上を述べるのが習わし。大の里は「余裕がなかったので頭は真っ白。まだ白紙です」と語り、出世の早さと、劇的に変わる周囲の環境に適応するのに精いっぱいの様子を見せた。 一方で、看板力士となる自覚を示す場面もあり「求められるものが大きくなる。その中で自分の持ち味、相撲を発揮したい」と次を見据える。 ●「元気づけられたら」 優勝を決めた14日目の21日には、奥能登が豪雨に見舞われた。この日の朝に状況を知り「絶対に今日勝って優勝を決めたい」と思って土俵に上がっていたことを明かした。「僕の話題で元気づけることができたなら良かった」と思いを寄せた。 秋場所では攻撃相撲が光り、初日から自己最多の11連勝とし、千秋楽を待たずに賜杯をつかんだ。注目度は高まるばかりで「すさまじい声援をいただいて幸せだった。僕のことを知っていただけたと思うし、これからもどんどん頑張りたい」と決意を新たにした。