華やかな"女子アナの世界"の裏に潜む「非正規雇用」問題...。元フリーアナウンサーの高橋絵理が立ち上がる
さまざまな分野のフロントを走り続ける女性たちの声を届ける、ハーパーズ バザーの動画シリーズ「THE NEW VOICE」。第7回となる企画にフリーアナウンサーを経て、映像制作会社を設立した高橋絵理さんが登場。女性アナウンサーが直面する「非正規雇用問題」のあり方について、語ってくれた。 【動画】華やかな"女子アナ"業界の裏側...。女性アナウンサーの非正規雇用問題を、起業家・高橋絵理が切り開く。 高橋さんは大学卒業後、「何かを伝えたいことがある人の思いをすくって、応援する仕事がしたい」とフリーアナウンサーの道へと進んだが、なかなかアナウンサーの仕事だけで生計を立てるのは難しかったという。それはテレビ局での経験がないから、世間が思い描くような女性アナウンサー像に当てはまらないからと自責の念に駆られていたというが、これは業界全体の問題だということに気づき、25歳の時にアナウンサーが企画から撮影、出演、編集までを手がける株式会社カタルチアを立ち上げた。社名には“語る”ことでクライアントとなる企業のPR、そしてアナウンサーをチアー(cheer=応援)するという意味が込められている。 「地方局で活躍している女性アナウンサーの多くが非正規雇用です。1年ごとの更新でマックス3~5年で契約を切られてしまうような現状があります。それによって、中途採用で縁もゆかりもない地方局を転々とするようなキャリアの歩み方をしている女性が多くいます。地方局で局の顔として活躍していたようなキャリアのある先輩たちが、同じように全然関係のないアルバイトをしているのを見たのが、ひとつ大きな気づきだったと思います」 この企画でゲストナビゲーターを務めた長谷川ミラは、非正規雇用の問題点についてこのように語る。「なんで1年なのか。生きていくためには継続した安定とか、そういった保障もものすごく大事になってくる。長い人生やキャリアを考えた時に、たとえば家族を持つというような未来を想像すると、より必要だったりしますよね。そこがなくても正規雇用というのは、ものすごく重要な部分だと思います」 アナウンサーは華やかな職業というイメージがあることで、当事者はなかなか声を挙げにくいこともこの問題を加速させる要因のひとつだと高橋さんは指摘する。「みんなそういう現状を言わないというのもあって。それって画面の華であるという女性アナウンサー像を求められているから、そんな自分でいたいと思うのは当然ですし、そういうリアルな部分を隠したいと思う人も多いと思います。でもやっぱりこれは社会問題だと思いますし、それをビジネスの力で解決できたらなというふうに思っています」 アナウンサーが安心してキャリアを描いていけるような、唯一無二の環境を作り出した高橋さんが、今声を大にして言いたいこととは――。アナウンサーだけにかぎらない現代に生きる多くの人にきっと響く、真摯なVOICEは、ぜひ動画本編でチェックして。
Harper's BAZAAR JP