日本のメロン(3万円)が“競馬の聖地”で大好評!「ダービーデー」に行ってみた エリザベス女王が果たせなかった夢とは?
賭け方は?ビール?楽しみ方それぞれ
もちろん競馬なので、馬に賭けることになるのだが、エプソム競馬場の場内には競馬場が管理する馬券売り場の他に、個々の会社が独自のオッズを打ち出し、馬券を販売しているブックメーカーも多々ある。少しずつオッズも違うようで、比べながら馬券を購入するのもありだ。 筆者は競馬素人なので、詳細は割愛するが、馬券の買い方は日本と同様、単勝や複勝、連勝単式や3連単などあり、日本よりも賭け方は豊富だという。 「ダービー・デー」にお昼ごろから集まった人々は、ビールなどを飲んだり、友人と話しながら、35分おきに開催されるレースに向けてそれぞれ過ごす。場内に設置された画面やスマホで馬名やオッズを見たり、パドックに来る馬の状態を確認することもできる。その間に、馬券も買わなければならないので、結構忙しい。いったんレースが始まると、人々はコース近くに集まり、それぞれの馬を応援する。それまで冷静だった人々も、ゴール近くになると絶叫する人も多く、その様子を見ているのも楽しい。
女王の競馬愛
イギリスの競馬を語るうえで、欠かせないのは王室との関係だ。長い歴史を持つイギリス競馬は、代々の王室によって積極的に支援されてきた。王室が所有するアスコットは18世紀に当時の君主アン女王が居城近くに競馬場が欲しいと所望し建設させたものだ。他の君主も馬主・生産者として競馬に参加してきたという。 そして過去の君主に負けないほど競馬を愛していたのが2022年に亡くなったエリザベス女王である。NetflixのドラマThe Crownにも描かれていた通り、女王は有数の馬主であり、相当競馬に熱中していたとされる。 彼女は国内のクラシックと呼ばれるほぼすべてのレースを自分の競走馬で制覇していたのだが、唯一勝てなかったのが、このダービーだったという。 一方、王位を受け継いだチャールズ国王は、女王とは異なり、競馬への興味が薄いと伝えられていた。しかし、去年のロイヤルアスコットには5日間の開催中に4日も足を運んでいて、競馬好きに転じたようだと報じられている。 また、がんの治療で4月末に市民の前に姿を見せての公務を再開したばかりだが、ここエプソム競馬場にもカミラ王妃とともに筆者が訪れたダービー・デーの前日にサプライズで訪れている。 さて、そのダービー・デーに話を戻そう。やはり会場が一番盛り上がったのはメインイベントの「ベットフレッド・ダービー」だ。ベットフレッドとは、レースのスポンサーである英ブックメーカー。大音量の歓声が響き渡るなか最終コーナーを越えて、内から抜け出した1番人気のシティオブトロイがそのまま他の馬を抑え込み優勝。調教師であるオブライエン氏は大会最多記録を更新する10勝目を飾った。