スーパーフード「枝豆」 栄養豊富だけど食べ過ぎで“病気リスク”増も 医師が教える摂取のメリット&注意点
酒のおつまみとしてよく食べられるのが「枝豆」です。枝豆にはさまざまな栄養素が含まれているといわれていますが、特にどのような栄養素を多く含んでいるのでしょうか。栄養が豊富だからといって食べ過ぎた場合、どのような病気のリスクが上がる可能性があるのでしょうか。 【要注意】うそでしょ…? 実は「中性脂肪」「コレステロール値」が高くなる食べ物5選 枝豆に含まれる主な栄養素のほか、枝豆を食べる際の注意点について、「戸塚西口さとう内科」(横浜市戸塚区)の院長で医師の佐藤孔信さんに聞きました。
塩分の過剰摂取に要注意
Q.そもそも、「枝豆」にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。また、摂取すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。 佐藤さん「枝豆とは、大豆を未成熟の緑色の状態で若採りしたものを指します。大豆は豆類、枝豆は野菜類にそれぞれ分類されているのが特徴です。 枝豆は、野菜類の中でもたんぱく質を多く含みます。たんぱく質は人の体を作る上で大切な栄養素で、筋肉や臓器、肌、ホルモンなどの材料になります。また、代謝に関わるさまざまな働きをします。 たんぱく質以外には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの成分が含まれており、中でも、枝豆はビタミンB1やビタミンB2、カリウムを多く含みます。ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る際に重要な栄養素であり、ビタミンB2も同じく、糖質や脂質、たんぱく質の代謝を助ける栄養素です。カリウムは浸透圧を調節し、ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の過剰摂取を調節するのに重要な栄養素です。 ビタミンB1やビタミンB2、カリウムは水に溶け出す水溶性の栄養素なので、枝豆をゆでて食べるより、電子レンジで調理した方が、栄養素が外に出にくく枝豆に含まれる栄養素をより多く摂取することができるかと思います。 たんぱく質が多く含まれているだけでなく、糖質や脂質が比較的少ないため、小腹が空いたときにおやつの代わりに食べるのもお勧めです」 Q.「枝豆は酒のつまみに最適」という話をよく聞きますが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。 佐藤さん「本当です。唐揚げや野菜炒めといった揚げ物や炒め物のほか、チーズなどがお酒のおつまみとしてよく食べられていますが、こうした食べ物には、脂質や糖質が多く含まれています。 そのような食べ物と比較すると、枝豆は良質なたんぱく質を多く含み、脂質や糖質が少ないためお酒のおつまみとしてお勧めです」 Q.では、枝豆を食べるときの注意点について、教えてください。食べ過ぎると、どのようなリスクがあるのでしょうか。 佐藤さん「枝豆をゆでる際は、食塩が使われるのが一般的です。そのため、枝豆を食べ過ぎるとその分、塩分摂取量も多くなります。自分で生の枝豆をゆでれば、塩分量をある程度調節できますが、市販の冷凍枝豆のほか、飲食店で提供される加工済みの枝豆には塩分が多く含まれています。 塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こすほか、高血圧により、脳梗塞や心不全などの合併症を引き起こす原因にもなります。そのため、高血圧の人は塩分の過剰摂取を控えなければならないため、枝豆の食べ過ぎには注意が必要です。加工された枝豆を摂取するのではなく、自分で生の枝豆をゆでて食べるのが良いでしょう。 先ほど、枝豆は脂質が少ないと言いましたが、野菜類の中では脂質が多いため、葉物類のサラダを食べるような感覚で多く摂取してしまうと、結果的に脂質の摂取量も増えるため、注意が必要です。 枝豆に関する1日の適切な摂取量は特に定められていませんが、1日100グラム以内を目安に食べるのが良いでしょう。また、さやには食塩が付着しているため、枝豆のさやに口を付けて食べるのではなく、さやから枝豆を取り出してから食べるとよいと思います」