【致死率30%】『人食いバクテリア』去年患者941人...今年も過去最悪ペース「朝に何かおかしいな...と思ったら夜には意識無くなる」予防は?治療は?専門家が解説
「スーパー抗原」で体の全身の免疫が過剰に活性化
――これは感染するんですか? 基本的には感染します。ただバクテリアに感染すれば直ちにみんな劇症化するかというと、様々な要因があり、人側の要因も多いので、菌だけで決まるものではないんです。溶連菌自体は、元気な人の皮膚など、どこにもある常在菌なのでみんな持ってるんです。それが病気になるっていうのは、複数のケースがあるので、わからないところがあります。 ――国立感染症研究所によりますと、患者の約30%が亡くなってしまう、極めて致死率が高いものだということです。高齢者とか基礎疾患、免疫が下がっている人がなりやすくて、子供は比較的なりにくいという特性があるといいます。 (城戸教授)これはバクテリアが出す「毒素みたいなもの」があって、それが人間の免疫を過剰に刺激するんです。専門的には「スーパー抗原」と言いますけど、スーパー抗原で体の全身の免疫が過剰に活性化して、自身を攻撃する状態なので、免疫が不十分な子供は比較的少ないということです。
「朝おかしいなと思ったら、夜は意識がなくなるぐらいのスピード」
――初期の症状は手足の痛みや腫れ、発熱などが出るということです。ここから急激かつ劇的に病状が進行します。発病から数十時間以内には組織の壊死、骨周りの筋肉などが壊死するそうです。急性腎不全、多臓器不全などが起こってショック状態になって死に至ることも多いということです。 (城戸教授)もう時間ごとに進むというのが特徴で、例えれば、朝何かおかしいなと思ったら、夜はもう意識がなくなるぐらいのスピードで起こりうるということです。 ――もしも、短時間で腫れが明らかにひどくなっているなどの症状があれば、急いで病院に行ってください。(2024年3月8日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より) ◎城戸康年:大阪公立大学大学院・教授 専門は感染症学・寄生虫学 コロナの治療薬開発や疫学調査に従事