Marketing Briefing[日本版]:マーケターに問われる AI の使いどころ。有益さとリスクが混じり合う
CESで数々のAI対応デバイスが発表されたように、AIはいまや一部のテクノロジー企業の専売特許ではなくなっている。リサーチからキャンペーンの展開まで、是が非でも効率化をめざしたい忙しいマーケターにとっては、AIがどのように進化し、市場に馴染んでいくのか気になるところだろう。 一方で、この新興テクノロジーが人類の脅威となりえることも忘れてはいけない。アートの世界で著作権侵害問題に発展したジェネレーティブAIの引き起こした混乱をみれば、AIは利用の仕方次第で短期間に大混乱を引き起こすことがわかる。 今回のMarketing Briefing[日本版]は、DIGIDAYで公開した最近のAI関連記事のうち、気になる3記事をまとめてみた。
AIは自分の分身となりえるか?
「AIとは何か?」と、エンジニアや開発者などの技術畑の人に問えば、専門用語を駆使した回答をくれるだろう。では、素人でもわかるような言葉で定義するならどう言えばよいのか? HRプラットフォームのフェノム(Phenom)でグローバル戦略担当バイスプレジデントとカスタマーアドバイザリーボードのゼネラルマネージャーを兼任するクリフ・ユルキヴィッチ氏によれば、AIとは「機械に人間のような思考をさせるための科学」であるという。 多忙なマーケターにとって、自分がもう一人いれば……と考えるときは多いのではないだろうか。人間のような思考をできるのがAIならば、この使い方をマスターすれば、自分の分身を作り出せるかもしれない。 ジェネレーティブAIの台頭でAIはテクノロジー強者のもの、という感覚は薄まったが、依然として敷居が高いと感じている人もいるだろう。ただ、「いまやAIリテラシーはクリティカルシンキング(批判的思考力)、問題解決能力、データリテラシーに並ぶ、ソフト面での『パワースキル』のひとつだ」と、米連邦政府向けにAIサービスを提供するトップ企業で、3万3000人以上の従業員を抱えるブーズ・アレン(Booz Allen)の人材開発ディレクターを務めるジム・へムゲン氏は語っている。 ChatGPTをはじめとする一般向けAIツールは情報収集に適しており、プレスリリース、報告書、分析レポート作成の際のリサーチなど、幅広い作業に使える。加えて、グラフィックデザインを多用するような営業用プレゼン資料や販促資料などの文書の作成など、特定のタスクに対応する専門ツールもあるため、仕組みさえ把握すれば、前述したとおり、パワースキルとなるだろう。 関連する記事 AIリテラシーはクリティカルシンキング、問題解決能力に並ぶ「パワースキル」に。向上のための心得