新たなる体験が血肉になって、さらに「Stranger」の理想に近づいていく〝下町映画館の再出発〟
カフェで映画体験
カフェもメニューを増やしただけでなく、ギャラリー用のスペースやワークショップ、イベントなどにより力を入れている。「一番映画館らしいのはカフェ・スペースで短編のイベント上映をし始めたこと。短編は作られても配信などで見るだけで、集まってみるという『映画体験』に恵まれなかった」。それをカフェで行うものだ。 「近くの銭湯電気湯さんと相互送客を狙ってコラボもしています。ステッカー作ったのですが、結構売れています」と地域との連携、物販にも余念がない。 そして、新たに配給事業も行うという。「Strangerを旗館にして良質な映画を全国に配給したい」と次の目標を語る。「経営が移管した2月から4月まで動員110%、興行収入120%で推移しています。社長というプレッシャーが今は楽しいですね」とほほ笑む。 「店頭の黒板を設置したことで、カフェの売り上げが上がったんです」という当たり前のような、新たなる体験が日々更谷の血肉になって、さらにStrangerの理想に近づいていくことを期待したい。
ひとシネマ総合プロデューサー 宮脇祐介