阿部巨人、M8 戸郷翔征が自己最多タイ12勝！ミスターから鼓舞「まだまだここからだ」
巨人は19日、DeNA22回戦（東京ドーム）に6－0で勝利。1分けを挟んで3連勝を飾り、リーグ優勝へのマジックナンバーを1つ減らして「8」とした。先発の戸郷翔征投手（24）が8回4安打無失点の好投で、自己最多に並ぶ12勝目を挙げた。試合前には、東京ドームを訪れた長嶋茂雄終身名誉監督（88）から「まだまだ、ここからだ」と激励を受けたナインが白星で応えた。 強気かつ、大胆さが光る貫禄の投球だった。戸郷が8回4安打無失点。2022、23年の自己最多に並ぶ12勝目を挙げた。 「初回から3点入ったので気楽にいけた。野手のおかげで、（大城）卓三さんも強気のリードをしてくれて、ゼロで抑えられてよかった」 四回2死満塁のピンチでは、伊藤光を149キロの直球で遊ゴロに。要所を締める投球で八回まで投げ、先発ローテーション定着から5年目で自己最長の173投球回に到達。9月は21回連続無失点とした。 歓喜の美酒の味はまだ知らない。1年目だった19年は、リーグ優勝を決めた9月21日のDeNA戦（横浜）でプロデビューを果たしたものの、当時は19歳。先輩たちがビールかけを楽しむ横で、未成年の戸郷のために用意された炭酸水を浴びた。「取り残された感がめちゃくちゃあった。（ビールは）いい匂いだなと思いながら、寂しかった」と〝悔しい〟記憶を回想した。5年の歳月を経て、開幕投手を託されるなどチームのエースに成長。念願の美酒に向けて24歳が白星を積み重ねている。 考え方も変わった。自身の白星やタイトルを意識していた1、2年目から、投手陣の柱となった今は周囲へ気を配ることが増えた。「中継ぎのこととか考えることはたくさんある。その頃とは全く違う。その意識がいい投球につながっている」と胸を張った。 試合前には、東京ドームを訪れた長嶋茂雄終身名誉監督から「まだまだここからだ」と激励を受けた。ミスターのエールに応える快投で、3連勝に導いた右腕に阿部監督も「ナイスピッチング。もう完璧じゃないですかね」とたたえた。 優勝へのマジックナンバーは減ったが、2位阪神とは2ゲーム差。最短Vは23日だが、まだまだ負けられない試合が続く。「勝たないことには優勝に近づかない。一試合一試合、落とせない試合があるけど、チーム一丸となってやっていけたら」と戸郷。5年前に体験できなかったビールの苦みを味わうまで、背番号20が腕を振り続ける。（樋口航）
